今日は朝から曇天模様の空が広がる一日となりました。本当はどこかへ出かけようと思っていたのですが、疲れが抜けないこともあって何となく何もする気になれず、一日自宅で大人しくしていました。
ところで、今日4月17日は20世紀の偉大なピアニストのひとりであるアルトゥール・シュナーベルの誕生日です。

アルトゥール・シュナーベル(1882〜1951)は、オーストリアに生まれたユダヤ系のピアノ奏者・作曲家です。
幼い頃から「天才少年」として楽才を発揮したシュナーベルは、ウィーン音楽院で幾人かのピアノ教師に学んだ後、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調のソリストとしてデビューしました。そのデビュー後に、ブラームスからは「将来最も恐るべき天才」と絶賛されました。
1921年にはアメリカにデビューし、その頃からベルリンで教授に就任したり、フルトヴェングラーらと共演を重ねたりしました。1927年にはベートーヴェンのピアノソナタの全曲演奏を7夜にわたって開催し、「ベートーヴェン弾き」としての名声を確立することとなります。
1932年から1937年にかけて、世界で初めてのベートーヴェンのピアノソナタ全集とピアノ協奏曲全集(サージェント指揮)をレコーディングしました。また、シュナーベルはベートーヴェンのピアノソナタの解釈を詳細に記載した楽譜編集でも有名で、その楽譜はシュナーベル版として現在でも世界中で愛用されています。
1933年からはユダヤ系であるがために、ナチスの台頭を受けてスイスに移住することとなりました。さらに1938年からはアメリカに本拠を移し、1944年にはアメリカの市民権を取得しました。
シュナーベルといえば、なんと言ってもベートーヴェンの演奏に定評があります。我が家にも

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲集の復刻CDがありますが、どれも実に実直で心地よい演奏揃いです。
それと共に有名なのが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の録音です。シュナーベルの演奏は、後のヴィルヘルム・バックハウスやヴィレム・ケンプといったベートーヴェン弾きのピアニストに先駆ける、壮麗かつ重厚なものとなっています。
そんなわけで、シュナーベルの誕生日である今日はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》の演奏をお聴きいただきたいと思います。1932年に録音された、マルコム・サージェントの指揮との共演でお楽しみください。