共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

小澤征爾氏を偲んで〜チャイコフスキー《交響曲第6番『悲愴』》

2024年02月10日 13時33分31秒 | 音楽
また、音楽界に訃報がもたらされました。日本人指揮者の草分け的存在である小澤征爾氏が、2月6日に心不全で逝去されたことが報じられました(享年88)。

故人の意向で葬儀は近親者のみで執り行われ、後日お別れの会が催されるとのことでした。以前から健康に関する不安が言われてはいましたが、こうして訃報に接するとやはりショックです。

小澤征爾氏の来歴などについては、今更拙ブログで語るまでのことはありません。なので、個人的な思い出を書いてみます。

何年前のことかは忘れましたが、すみだトリフォニーホールの横をチンタラ歩いていた時に、楽屋口から浴衣を引っかけた白髪頭のオジサンがものすごい勢いで飛び出してきて私と正面衝突し、はずみで私は思いっきり尻もちをついてしまいました。その衝突してきたオジサンこそ、他ならぬ小澤征爾氏だったのです。

恐らく新日本フィルハーモニー交響楽団のリハーサルがハネた後か何かで、隣のデパートに何かを買いに行こうと急いでおられたようでした。その時に小澤征爾氏が

「ゴメンね!大丈夫!?」

と言って私を引き起こしてくれたのですが、私はあまりのことに

「あ、はい。それよりお怪我はありませんでしたか?」

と腑抜けた返事をしてしまいました。

「あ、大丈夫。ホントにゴメンね!」

と言って手を挙げて颯爽と浴衣を翻して走っていく後ろ姿を、私は呆然と見送るだけでした。あの出来事は、今でも鮮明に覚えています。

そんなお茶目な思い出のある小澤征爾氏を偲んで、今日はチャイコフスキーの《交響曲第6番『悲愴』》の演奏画像を転載しました。2008年にウィーン楽友協会ブラームスザールでベルリン・フィルと共演した画像で、小澤征爾氏入魂の演奏をお楽しみください。

ここに謹んで、小澤征爾氏の御冥福を御祈念申し上げます。

合掌。



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