今日は昨日の大雨から打って変わって、気持ちのいい晴れた日となりました。その分昨日と比べて気温が10℃くらい上昇し、体育の授業のあった子どもたちは完全にグロッキー状態になっていました…。
ところで今日、子どもたちの前でヴァイオリンを弾く時間があり、そこでボッケリーニの『メヌエット』を演奏しました。子どもたちはタイトルこそ知らなかったものの、演奏を始めると
「知ってる!」
「聴いたことある!」
と様々な反応をみせていました。

ルイジ・ボッケリーニ(1743〜1805)はハイドンやモーツァルトらと同時代に活躍した音楽家です。現在では作曲家として知られていますが、往時は卓越した技術をもったチェロ奏者として名を馳せていました。
イタリアのルッカという街で生まれたボッケリーニは、弱冠13歳でチェロ奏者としてデビューしました。イタリアやウィーンで活躍した後1769年からはスペインに渡り、そこで生涯を終えました(享年62)。
交響曲やチェロをはじめとした協奏曲を多数遺したボッケリーニですが、何と言っても特徴的なのが膨大な数の弦楽五重奏曲です。
弦楽五重奏は弦楽四重奏曲の編成に一本弦楽器を足した編成で、モーツァルトやドヴォルザークがヴィオラを足したのに対して、ボッケリーニはチェロを足したものが多いのが特徴です(このチェロをプラスする編成の弦楽五重奏曲はシューベルトにも有名なものがあります)。
今日演奏した『メヌエット』も本来は《弦楽五重奏曲ホ長調G275》の第3楽章ですが、その愛らしいメロディと演奏時間の手頃さからアンコールピースとして有名になりました。今ではヴァイオリン教則本のスタンダードメニューのひとつにもなっています。
ピアノ伴奏での演奏もいいのですが、やはり本来のかたちでのアンサンブルに勝るものはありません。ということで、今日はオリジナルのかたちでの弦楽五重奏アンサンブルによるボッケリーニの『メヌエット』をお楽しみください。
因みに、今日5月28日はボッケリーニの祥月命日だそうです。合掌…。