今日も神奈川県は、日中『危険な暑さ』となりました。あまりの暑さに、ここ数日そうめんしか喉を通らない日が続いております…。
さて、一昨日拙ブログにリストの《エステ荘の噴水》を載せ、昨日それに影響を受けたラヴェルの《水の戯れ》を載せました。となったら、今日はその勢いでドビュッシーの《水の反映》を載せないわけにはいきません(笑)。
《水の反映》は
クロード・ドビュッシー(1862〜1918)が作曲した連作『映像』(Images)の冒頭を飾るピアノ曲です。一昨日も書きましたが、リストの《エステ荘の噴水》に強く影響されて作曲したといわれています。
連作『映像』はドビュッシーが作曲したピアノ曲および管弦楽曲で全部で4集あり、第1集と第2集はピアノ曲、第3集は管弦楽曲です(第3集は単に『管弦楽のための映像』と呼ばれることが多い)。この他に生前には出版されなかったピアノのための1集があり、現在では『忘れられた映像』と呼ばれています。
《水の反映》は『映像』第1集の冒頭を飾る曲で、水面に反射する光がキラキラと揺らぎ移ろう様子を音楽で表現したものであることから、しばしば
印象派の巨匠クロード・モネ(1840〜1926)の『睡蓮』をはじめとした絵画になぞらえられることもあります。ドビュッシーの音楽は絵画的であると言われることが多いですが、『映像』はそのタイトルからしても最たる作品群であり、《水の反映》はその作品の幕開けに相応しい名曲ではないでしょうか。
静かな水面に石を投げ入れたような低音に弾かれるように16分音符の波紋が広がっていきますが、
ラヴェルの《水の戯れ》の冒頭と比べると、その動きはまだ控えめです。そこから次第に音楽は高揚していくと、低音の動きに刺激されて水面の光が縦横無尽に駆け巡ってまばゆいばかりの輝きを見せ、最後には静かに終わっていきます。
そんなわけで、今日はドビュッシーの《水の反映》をお聴きいただきたいと思います。モネの絵画にも例えられるドビュッシーの名曲を、ネルソン・フレイレのピアノでお楽しみください。