連日熱戦が繰り広げられている東京五輪を観戦しているうちに、今日から8月に入りました。あれだけガタガタ言われていた東京五輪も、ふと気づけば後半戦に差し掛かっています。
ところで今日8月1日は、作曲家中田喜直の誕生日です。
中田喜直(1923〜2000)は『早春賦』を作曲した中田章の三男です。父が病に伏していたため兄から音楽を学び、東京音楽学校(現東京芸術大学)ピアノ科を卒業しましたが、卒業後は陸軍少尉となって前線に赴き、戦闘機の操縦もしていたようです。
戦後はジャズピアニストを志望していたようですが、あまりに手が小さかったためその道を断念して作曲に専念しました。そんな中で、ラジオ番組などから『ちいさい秋みつけた』『めだかの学校』『夏の思い出』といった作品が次々と発表され、今では音楽の教科書でも馴染み深い楽曲となっています。
そんな中田喜直の作品の動画が無いかと検索していたら、母校の恩師のひとりであり2016年に他界された五十嵐郁子先生が、中田喜直と山田耕筰の作品を歌っている音声動画があるのを見つけました。そこには先生が生前お好きでよく歌われていた『夏の思い出』も入っていて、先生の美しい声での歌唱に懐かしさがこみ上げてきて、思わず涙が溢れてきてしまいました。
そんなわけで今日は、五十嵐郁子先生のソプラノ、平島誠也氏のピアノで、東京都庭園美術館で開かれたというリサイタルでの音声動画を転載しました。五十嵐郁子先生の美声による、中田喜直と山田耕筰の歌曲の世界をお楽しみいただきたいと思います。