今日は長崎に原爆が投下された日です。
79年前の8月9日午前11時2分、長崎上空でプルトニウム型原子爆弾『ファットマン』が炸裂しました。
爆心地付近の温度は3000〜4000℃に到達したと推測されていて、死者73884名、重傷者74909名を出す惨事となりました。
本来、この『ファットマン』は長崎ではなく小倉に投下される予定でしたが、当日の小倉上空の天候が思わしくなかったために、急遽長崎に変更になったのでした。そんな運命のいたずらも、長崎の名を永遠に歴史に留めてしまうことになったのです。
今回の長崎での平和記念式典で、長崎市は
「(政治的な理由ではなく)平穏かつ厳粛な雰囲気のもとで式典を円滑に実施したい」
という理由で、イスラム組織ハマスと戦闘を続けるイスラエルの駐日大使を招待しませんでした。その結果、G7主要7か国のうち日本を除く各国の駐日大使らがそろって参加を見合わせるという異様な事態となりました。
長崎原爆の日の平和祈念式典について、アメリカのエマニュエル駐日大使は、
「イスラエルを式典に招待しなかったのは政治的な決定だ」
としたうえで、自身も欠席する意向を明らかにしました。これについてアメリカ国務省のミラー報道官は8日の記者会見で
「我々は、『他の国々の大使が招待されているのだから、イスラエルの大使も招待されることが重要だ』と考えた。いかなる国も式典に招待されないことによって特別扱いされるべきではない。それがエマニュエル大使の行動の理由だ」
と説明しました。
長崎市としても、『最後の被爆地』として多くの人に悼んでもらいたいという気持ちはあったと思いますが、その上で、現在進行形で戦闘を繰り広げているイスラエルやロシアにしゃあしゃあと来てほしくないというのも正直な気持ちでしょう。そう思うと、政治的意図をもって動いたのは長崎市とG7のどちらなのでしょうか。
今日は長崎の被爆者の御霊に、プッチーニの《菊(Crisantemi )》を送ります。願わくば、長崎が本当に最後の被爆地となりますように。
合掌。