今日も熱中症警戒アラートこそ発令されなかったものの、それでも暑い一日となりました。比較的涼しい午前中に買い物を済ませようと思ってスーパーまで行ったのですが道すがらのあちこちで蟬が鳴いていて、それを聞いているだけでも暑さ倍増です…。
今日はいつもと違う、割りと日陰の多めの道を歩いていました。そうしたら、近くのお宅の庭先に
ピンク色も鮮やかな夾竹桃の花が咲いていました。
夾竹桃は6月から9月頃に花を咲かせる常緑小高木で、元々インド原産のものが江戸時代中期に中国経由で日本にもたらされました。夾竹桃という和名は葉が竹に似ていることと花が桃に似ていることから付けられたと言われていて、ピンクや黄色、白など多数の園芸品種があり、写真のような八重咲きの種もあります。
夾竹桃は乾燥や大気汚染にも強いため、特に長年大気汚染公害に悩まされていた川崎市や、原爆投下の影響で向こう70年以上は草木も生えないと言われていた広島市でいち早く花を咲かせたという実績を買われて、各地で街路樹や緑化樹、高速道路脇の植栽等に利用されています。また燃えにくく火に強いため、耐火樹としても利用されていると言われています。
優れた園芸植物の夾竹桃ですが実は花や葉、枝、根、果実といった全ての部分に強心配糖体のオレアンドリンを主成分とした毒性があり、植えられた周辺の土壌も毒性を帯びます。また生木を燃やした煙も有毒で、かつてこの性質を使って香木の中に夾竹桃を仕込んで、その香を聞いた人物を殺害しようとしたという事例もあったそうです(!)。
強い経口毒性があるので、とにかく人や家畜が食べたりしないよう注意する必要があります。因みに中毒症状としては、嘔吐・四肢脱力・倦怠感・下痢・目眩・腹痛等、なかなか恐ろしいラインナップで、死亡する事例も国内外で発生しています…((((;゚Д゚))))。
こんな可憐な見た目からは想像のつかない危険性を孕んでいることを考えると、この花の見え方もちょっと変わってきます。もし夾竹桃を扱われることがある際には、くれぐれもお気をつけくださいませ…。