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謹賀新年

 新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)
                             大伴家持
 
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


 初詣に行って今帰って来た。車で10分ほどの山の上にあるお稲荷さんだが、毎年年が明けると初詣に行っている。今年は娘の運転で行ったものだから、かなりのスリルを味わいながら、父と息子も同乗して総勢4名の決死のドライブだった。毎年妻は寒いから行きたくないと、不謹慎な理由で同行しないが、今年も当然の如く行かなかった。どうせ、夜が明ければ近くの神社にも行かなけりゃならないから、その時に行けばいいと自分に都合のいい理由を盾にして、どうしても行かない。私も信仰心厚くて行くわけでもないから、妻が行こうが行くまいがどっちでもいい。ただ最近は子供たちが一緒に行ってくれるようになったので、私としては新年最初の行事として欠かせないものになっている。
 毎年初詣に行って不思議に思うのは、皆がお行儀よく整列して参拝の順番を待っていることだ。何故そんなに長い間並んでまで、参拝したいのか私にはとても我慢ができない。社殿のところまでささっと近付いて行って、斜めから賽銭を投げてぶつぶつお祈りしたらそれで終わりだ。要は自分の心に今年はこうやって行くぞ、と言い聞かすようなものであるから、斜めからお祈りすれば十分だと思っている。正面から鈴を鳴らそうというのなら、ちゃんと並ばねばいけないだろうが、そんなこともせず、ただ手を合わせるだけだったら、列を乱すことにもならないから、それでいいんじゃないかと思っている。
 毎年のことだが、おみくじを引いてみた。じゃらじゃらと鳴らしながら、箱を鳴らして出て来たのが9番。それを告げて、もらったおみくじにはこう書かれていた。

 運勢:大吉
枯れ果てた田の苗も夕立雨に遭いて、再び生き返り秋の収穫も心配に及ばず安心出来る運なれ共、何事も正直にして他人を恨まず 仕事大事とはげみなさい。

と書いてあった。他に気になるものとして、商売「利あり売るによし」、学問「安心して勉学せよ」、恋愛「愛情を捧げよ」、病気「重くない癒る」などとあった。なんだか2006年は素晴らしい年のようではないか。毎年この稲荷でおみくじを引くことにしているが、これほど立派な運勢が書かれていたことは今までなかったので、正直困惑してしまう。しかし、都合のいいように解釈しておいたほうが、運勢も好転するような気がするので素直に信じておこうと思う。
 さて、神社で祈ったことは、「交通安全」「学業成就」「無病息災」の3つである。これは私の定番となっている。「交通安全」とは送迎バスで事故など起こらないようにと祈願することであり、私の心に戒めとして必ず最初に祈るものである。「学業成就」とは、小学生から高校生まで塾生全員の成績が上がるようにということであるが、なかなか難しい。一朝一夕で成し遂げられるものでもないから、指導が行き渡るように地道な努力をして行かなければならない。「無病息災」とは受験が近付いてきている受験生が、体調を崩すことなく、元気で受験に望み見事全員が志望校合格できるようにという思いを込めてのものだ。勿論、受験生だけではなく、中心にいる私も体には注意して子供たちの笑顔が見られるよう努力しなければならない。
 ここまで書いてきて、さすがに神社で振舞われたお神酒を飲みすぎたようだ。もう眠くて仕方がない。元日の抱負を述べようと思って書き始めたのだが、なんだか中途半端なものになってしまった。これじゃあ、この先思いやられる気がするが、今年は「落ち着いて暮らそう」を自らの目標とすることにしているので、もうじたばたせずに眠ることにしよう。
 
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