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素足に草履(2)

 7月に私は、普段から素足に草履を引っかけて生活していると書いた。子供が保育園で草履を買い、それを履いて通うようになって以来、私も真似をして草履で生活するようになった。そうし始めてから風邪を引きにくくなり、健康のためにもずっと続けているとも書いたと思う。それは何も夏の間だけではなく、真冬の今でも同じように素足に草履のままである。昨年暮れの大雪のときでもいつもと変わらず草履だったし、娘の成人式の日も晴れ着姿の横に草履履きの私が並んで写真に収まっている。そんなことをしていて寒くないの?とよく聞かれるが、はっきり言ってなんともない。冷たいとも寒いとも感じない。感覚が鈍いのかもしれないが、やせ我慢をしているわけでもない。足よりも手先の方がかじかんできて、冬場はいつもポケットに手を突っ込んで背を丸めながら歩いているので、姿勢が悪いと妻からよく注意される。
 しかし、感覚は半分麻痺していても、皮膚は正直である。四六時中寒気に晒されているため、かかとがかさかさになってしまい、いつも今頃になるとひび割れて血が滲んで歩くにも一苦労するようになってしまう。なら、靴下を履きなさいよ、と妻からは冷たい目で見られるが、ここまでずっと素足を続けてくると、靴下などとても履く気になれない。素足で床の上を歩いたり、底のうすい草履を履いて地面を踏みしめる感覚が身についてしまっているので、靴下を履いたり、底の厚い靴をはいたりするのには抵抗がある。野人のような生活と言えなくもないが、かかとのひび割れの痛さを我慢するだけの価値はあるような気がしている。
 そうは言っても今年のこの寒さはやはり例年とは違う。それを近頃は文字通り「痛感」している。と言うのは、今年はかかとだけでなく足の指先にもひび割れができてしまって悲惨な目にあっている。昨日の朝など、ベッドから起きて階段を下りるときに左足で踏みしめることができなかった。「痛い!」と階段に座り込んで左足を見たら、親指の先と小指の付け根に5mmから1cmほどのひび割れができていて、ぱかっと口が開いている。今まで気付かなかったのも迂闊だが、ベッドから降りた瞬間に割れてしまったのか、かかとと合わせて三所攻めでは歩くのもままならない。ゆっくり階段を下りて行って、泥縄ではあるがスキンクリームを傷口に塗った。「毎晩風呂上りに塗るように」と妻が気をきかして買っておいてくれたものだが、ついつい忘れることが多く、いつも後手に回ってしまう。あらかじめ処置しておいたらこんなことにはならなかったのに、と思うことがいくつもある。いくら失敗してもなかなか直らない。困ったものだ。
 こういった感じでいつも足のどちらかがひび割れて痛いため、歩き方がどうにもおかしい。つま先だって歩くかと思えば、引きずるように歩いていることもある。足にいらぬ負担がかかっているせいなのだろうか、週末になって疲れがたまってくると足腰がだるい。一昨日など、塾の休憩時間に急いで自宅へ帰ろうと坂道を走って上ったところ、膝ががくがくして倒れこみそうになった。こんなことは初めてだ。常日頃、足腰が弱っているなと感じることが多いため、毎夜の鍛錬に足腰を鍛えるメニューを加えなければならないと思ってはいるのだが、何をしたらいいのか思いつかない。ウオーキングをすればいいのかもしれないが、この寒さではとてもそんな気になれない。なら、ヒンズースクワットをやってみるか、とは思うが、あれはちょっとハードだよな、などと踏ん切りがつかないでいる。
 犬と散歩に行けばいいのだが、何せ秋田犬は力が強い。よし、行くぞ!と気合を込めなければ行けない。この受験シーズンの真っ只中、塾以外のことに気合を入れる気にはなかなかなれない。どうしたものだろう。
 真剣に考えてみた。すると、忘れずに風呂上りにスキンクリームを塗ることから始めるに如くはないと、今気がついた。真一文字に割れて血が滲んでいるひび割れをなくさなければ足を使う運動などできるわけがない。何でこんな簡単なことに頭が回らなかったんだろう。かなり疲れているのかな、これも問題だ・・・
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