お笑い芸人

　どうでもいいことってのは世の中にいっぱいあるけれど、どうでもいいって思うことほど気になることがよくある。芸能人の結婚なんてものもその代表的な一つだ。ＴＶのワイドショーを見れば、毎日必ずそうした話題の１つや２つは出てくる。週刊誌でも取り上げられることがしばしばだ。別に誰と誰が付き合っていようが、結婚しようが、まるで私にはどうでもいいことなんだけど、ついつい話の種にしてしまったり、週刊誌を立ち読みしてしまったりする。それは私が物好きだからかもしれないけど、多かれ少なかれ、そうした話題に気を取られるのは現代日本の多くの人が持っている習性なのではないだろうか。
　私はそれほど芸能界に明るいほうではないが、なにせＳＭＡＰと藤原竜也のフリークである妻と暮らしているため、同世代の男性よりも芸能界の情報には詳しいだろうと思う。情報が偏っているとは思うが、それでも、今の芸能界に君臨しているといってもいい天下のＳＭＡＰに関しての情報に通じているということは、芸能界の話題をかなりの割合で知っていると言ってもいいのかもしれない。それが誇るべきことなのかどうかよく分からないが、妻が教えてくれる裏情報のようなものは、なかなか刺激的で面白い。
　しかし、そんな妻でも、お笑い方面はイマイチ詳しくない。お笑い番組を見るくらいなら、ＳＭＡＰのＤＶＤを見るか、雑誌の整理をしていたほうがいいのかもしれないが、深夜番組を最近少しは見るようになった私のほうが、かえって詳しいくらいだ。そんな私や妻が最近一番驚いたお笑い関係の話題は、藤原紀香と陣内智則との交際発覚だ。私は藤原紀香のファンでもないし、陣内の芸を面白いと思っているわけでもない。しかし、藤原紀香といえば、美人女優というカテゴリーの上位に位置する存在であり、そんな彼女が『お笑い芸人』陣内と結婚を前提とする付き合いをしているとは、さすがに驚いた。そのことが明るみに出た翌朝に、陣内が司会する生番組で堂々と交際を認めたのをたまたま見ていたから、余計驚いたのかもしれない。言葉を慎重に選びながらも、嬉しさを隠し切れない陣内に好感を持ったが、それにしても意外なカップルだと今でも思っている。
　同じような驚きは誰もが感じただろうが、毎日新聞の夕刊にまで特集で取り上げられていたのは面白かった。「芸人ばかりがなぜモテる」という題名で、エッセイストと芸能リポーターの解説が載っていたが、私が興味を持ったのは、その紙面に載っていた『主なお笑い芸人と女優、タレントのカップル』という次のような一覧表である。

　　　　結婚年月日　　芸人（グループ名）　　　　女優・タレント
　　　　88年９月　　　明石家さんま　　　　　　　大竹しのぶ
　　　　90年３月　　　そのまんま東　　　　　　　かとうかず子
　　　　93年11月　　　ヒロミ（Ｂ21スペシャル）　松本伊代
　　　　94年１月　　　木梨憲武（とんねるず）　　安田成美
　　　　　　　９月　　　清水圭　　　　　　　　　　　香坂みゆき
　　　　95年11月　　　深沢邦之（Take２）　　　　田中美佐子
　　　　98年11月　　　石橋貴明（とんねるず）　　鈴木保奈美
　　　　02年７月　　　遠藤章造（ココリコ）　　　　千秋
　　　　05年４月　　　内村光良　　　　　　　　　　徳永有美
　　　　　　　　　　（ウッチャンナンチャン）　　　　（元テレ朝アナ）
　　　　　　　５月　　　名倉潤（ネプチューン）　　渡辺満里奈
　　　　　　　７月　　　藤井隆　　　　　　　　　　　乙葉
　　　　　　　９月　　　井戸田潤（スピードワゴン）安達祐美
　　　　06年１月　　　木村祐一　　　　　　　　　　辺見えみり　　

確かに、何でこんなにも・・とため息が出そうになるが、お笑い芸人というのは単に面白いだけではなく、もっと奥の深い人間的魅力を持っている人たちだと考えたほうがいいのかもしれない。しかし、男女の仲を他人があれこれ詮索しても野暮と言うものだから、もうそんなに深く考えずに、ただ「末永くお幸せに」と陰ながら声をかけるだけにしておこう。　
（でも、乙葉が藤井隆と結婚したのはちょっとばかりショックだった・・）