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ノミ

 一昨日、車の中でふっと腕を見たら、小さな虫が3匹いた。「何?」と思って払おうとしたら、ぴょんと跳ねて消えてしまった。「何だ、今のは?」と叫んだら、妻が「ノミだよ。やっぱりノミがいるんだ、見てこれ」と言って自分のすねの辺りを指差した。赤い点々がいくつもある。「さっき物置に行ったときにくわれたみたい。かゆい」と怒った顔をする。「何でノミがいるんだろう?」私がたずねると、「少し前にノラ猫が子供を生んで、2・3日家の物置にいたことがあるでしょう。あのときにノミが卵を産んだんじゃないの」と、妙に冷静な分析をする。一ヶ月ほど前に生まれたばかりの子供を3匹つれたノラ猫が家の横にある物置にねぐらを構えたことがあって、子猫を飼ってやろうかどうか、少しばかり相談したことがあった。結局は妻がもう猫は二度と飼いたくない、と言い張って飼うことは止めにした。その後猫たちの姿は見えなくなったが、妻は時々母猫にえさをやっていたと言うから、物置にはずっと猫たちが出入りしていたようだ。そんな恩に対してノミという仇を返すのだから、やはりノラ猫なんて不人情なものだ。しかも、妻に被害が一番大きいのだから笑うに笑えない話ではある。
 だが、経緯はどうあれ、このままノミを放置しておくわけには行かない。妻は毎日その物置に行くので、ノミに刺されたり、知らぬうちにノミを家の中に運び込んだりしてしまう。車の中にいたノミも、妻にくっついてきたものが車の中まで乗り込んで私の腕を刺そうとしたのだろう。家の中にもたくさんいるかもしれない。このままにしておくと、体中刺されてしまうかもしれない。どうにかして早い段階で駆逐せねば!と妻がその夜から、ネットで対策をあれこれ検索し始めた。さすがに検索が大の得意である妻だけにいろいろとノミ退治の方法を探し出してきた。
 まずは、バケツに水を入れ、その中に酒と洗剤を混ぜて、一晩中電灯を点けた部屋に置いておく。するとノミがバケツに集まってきて、水の中に沈んでしまう、という。どういう理由なのかは判然としないが、なかなか評判のいい方法らしく、早速試すことになった。物置に一晩置いた結果は・・、


 ウソのようだが、本当にたくさんのノミが沈んでいる。黒い点々が全部ノミだが、まだまだ大量に潜んでいることだろう。妻が試しに物置に入ったら、一斉にのみがたかってきたと言うから、これの何倍もまだいるはずだ。それじゃあ、とバルサンを買ってきて炊くことにした。ノミにバルサンはあまり効果はないという説もあるようだが、とりあえず炊いてみなくては気持ちが治まらない。入り口と奥にひとつずつ点火してみた。

 

 終了後、妻が物置に入って確かめたところ、前のようにノミがたかってくるようなことはなくなったようだ。かなりの効果はあったようだ。
 しかし、これくらいではまだ油断できない。元を絶たなければ解決にはならない。と言ってもノラ猫たちを捕まえて、どうにかするなんてことはとてもできないから、自衛策として猫が物置や家の中に入り込めないように処置することにした。そこでペットショップに行って、結界を張るための道具を買ってきた。


 袋を開けたら、細かな粒が入っていて、鼻をつんと刺激するいやなにおいがした。これを大量にまいておけば、猫が近づかなくなり、えさを失くしたノミもやがて死に絶えるだろう。これが一番いい考えかな、と思って、猫が出入りしそうなところにザッと撒いてみた。うまくいってくれればいいが・・。
 しかし、妻の脚はいまだ無残にも点々と赤く腫れている。「かゆい、かゆい」と塩湯に足を漬けたり、薬を塗ったりケアに余念がない。被害の少ない私でも、その様子を見ていたら、なんだか体中がかゆくなってきた。本当にノミはかゆい・・。


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