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旧ジャニーズ性加害問題に警察の捜査はやはり必要と考えますが…。

2024年06月29日 23時28分38秒 | 社会・経済
旧ジャニーズ事務所(現:SMILE―UP.、スマイルアップ)の性加害問題について、この数カ月の間に動きがありました。
昨年3月、一連の性加害問題が表沙汰になるきっかけになった「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」が放送されて一年たった今年3月、BBCが「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」を放送しました。
(この番組の内容が含まれる約35分のダイジェスト動画が掲載された記事が上記のリンクしたBBCのページになります)

この中で東山氏はジャニー喜多川氏のほかに旧事務所の元社員2人が性加害をしていた事実を認めています。
また同時に事務所から自発的に警察に告発しないことも明らかにしています。

それを受けて、先月元所属タレントの男性2人が警視庁赤坂署に性加害の捜査を求める要望書を提出。

また先月末には国連のビジネスと人権作業部会が訪日調査の最終報告書が発表され、その中でスマイルアップ社が名指しで、この問題に対し、「依然として深い憂慮が残る」とし、これまでの被害者への対応が進められていることには「努力は認める」としつつも、被害者に弁護士費用などを負担させている状態について「容認できない。救済を求める被害者のニーズを満たすには道のりは長い。」と、スマイルアップ側には被害者の弁護士費用の負担や精神的ケアの拡充を求めており、国連もまだまだこの問題が解決にはほど遠いことを指摘しています。
そして、今週26日にスイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会でこの作業部会はこの件を報告。会合後のイベントで元所属タレントの二本樹顕理氏は「多くの被害者が性的暴行や誹謗中傷で今も苦しんでいます。子どもたちは、未来の希望であり、子どもたちから性的搾取をするということは人権侵害なんだという意識が芽生えてほしい」と訴えておられました。


冒頭のBBCの記事にある動画を見た範囲で僕は、動画の始めから何らかの不穏なものを感じられずにはいられませんでした。
動画のスタートからしばらくして東山紀之氏が今回のインタビューに応じた理由を「日常会話のように…」と言っているところに何かモビーン・アザー氏をできれば取り込もうとする意志が感じられなくもなく、それは動画後半にも話の内容に出てくる、旧ジャニーズ側がセッティングした(旧ジャニーズ側にとって都合の良い)被害者(動画内では「サバイバー」)との対話についての内容にもあらわれているように思いました。

また被害者が自死した件について、その原因となった誹謗中傷についても「言論の自由」と言ってのける、それができてしまう感覚についても非常に違和感を持ち、もうむしろそれは保身ではないのか?と思えますし、とても被害者に向き合っているとは言えないのではないでしょうか?
東山氏がその誹謗中傷と言論の自由のラインをモビーン・アザー氏に聞き返すこと自体、もうそれは被害者に向き合おうとしていない、向き合っていないのではないか?と思います。またそのこと自体自覚できないのであれば、もう旧ジャニーズ側・スマイルアップが自分たちで解決することはしないほうが良いように思います。

この35分ほどのダイジェストではありますが動画を観て感じた何よりも不穏なものとは、旧ジャニーズ側が最終的に10年後でも、20年後でもいいので、この世界的に稀に見る最悪な性加害事件が何事もなかったかのように(少なくとも日本の)社会から消し去り、また以前のように自分たちのエンターテインメント・ビジネスができれば良いと思っているのではないか?ということです。もちろん、これは推測です。

このように推測をした時、僕にはかつてSMAPのメンバーだった森且行氏のことを思い出しました。
彼がSMAPを脱退、当時のジャニーズを退社、芸能界も引退してから、それまでに撮影されたSMAPのメンバー写真からきれいに消され、そもそも最初から彼がいなかったかのような体裁にしていました。

そのようなことを今回も行おうとしているのではないか?と推測してしまうのです。
そして、もうすでにその「目論見」に基づいた「運用」が図られているようにも思ったのです。
だからこそ、モビーン・アザー氏のインタビューに応じたのも「日常会話のように…」と、あわよくば取り込みを画策し、旧ジャニーズ側にとって都合の良い被害者とモビーン・アザー氏を面会させ、性加害者が他に2人いることがわかっても警察に情報提供せず、被害者への誹謗中傷を言論の自由としている。
そのようにして民事責任以外の責任をすべて避けて逃げ切り、民事責任を果たすことによってすべての責任を果たしたかのようにして、それは実は本質的にすべての問題や責任をお金で解決しようとしている旧ジャニーズ側のこの世界的に稀に見る最悪な性加害事件に対する本当の態度であるように思え、それは怠慢であり保身がやはり透けてきます。

また性加害者が他に2人いることを警察に情報提供をしない件についても、それを明らかにした点は評価したとしても、であればなおさら本当の解決には再犯の恐れがあるその加害者への治療的対応を行わなければならないと思いますが、東山氏はその2人の所在等を把握すらしていない。それは被害者のプライバシーを盾にして旧ジャニーズ側が余計な刑事責任を負わないようにする意図を感じざるを得ません。それで社会に存在する一(いち)企業としての社会的責任、コンプライアンスなど人道的な責任を果たしていると胸を張れるのでしょうか?

やがてこのまま真実が明らかにならず社会が何も学ばず、すべてが忘れ去られた時、それは旧ジャニーズ側によって目論見通りになったということかもしれません。しかし、それではまた必ず同じ事件が起こり、同じ被害に遭い同じ想いをする被害者が増えます。それはもしかするとあなたの子供さんやお孫さんかもしれません。この状態を社会として許しておいてはいけないのです。


モビーン・アザー氏は昨年のこの問題のきっかけになった動画(「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」)の中で、当然のことながら、この問題は日本社会が解決しないといけない問題だとしています。
問題が発覚してから、日本社会はあらゆる反応を見せましたが、結局のところ旧ジャニーズ側(だけ)の問題としていないでしょうか?
冒頭の動きの中で紹介した国連のビジネスと人権作業部会はこうも述べています。
「日本のメディアは何十年もの間、このような不祥事の隠蔽に関与してきた」とし、「人権への影響を慎重に検討し、影響力を行使することが依然として重要だ」と指摘しています。
すなわち、日本のメディアがこの問題の隠蔽に長年加担し、依然として社会をに対し人権に配慮したこの問題の追及を影響力を持って伝える仕事をしていないとしているのです。要はメディアが手ぬるい、腰が引けており、旧ジャニーズ側に忖度しているということです。

これには、こちらの過去記事で自分たちのテリトリー(自社社屋内)で犯罪が行われていたことが明らかになっているNHKが公共放送の立場として先頭になってこの問題の追及を始める期待をしていたのですが、どうも簡単にはそういかないようで残念です。


であれば、やはり公権力に介入してもらい真実を明らかにしてもらうしかない段階に来ていると僕は思います。つまり警察の介入、警察に捜査をしてもらうことですが、冒頭で書いた赤坂署への捜査の要望書を提出時に警察は「明確な被害者がいないと捜査できない」と回答しているようです。

ただ、今回明らかになった元社員2人の性加害者の加害についての時効ですが、東山氏は今回のインタビューで捜査になれば協力する旨の発言をしているところをみると時効は成立していないと推測できます。時効が成立しているのであれば、そもそも捜査は行われないと判断するでしょうから協力する必要もなく、その発言も必要ないからです。
またこれも推測ですが、おそらく東山氏は加害者と被害者ともに把握しているのではないか?と思います。

その上で、被害者が刑事告訴をしない限り、警察に情報を提供しない、捜査に協力しないということが、余計な刑事責任から逃れようとしている姿勢の表れであり、もしかするともちろんこれも推測の域を出ないですが、被害者に対してすでに十分な民事責任を果たすための金額が支払われていて、その被害者の方(あるいは方々)が今後刑事告訴をしないことを確約している可能性すらあります。あるいは、先ほど書いたように被害者のプライバシーを盾にして刑事告訴させないようにしている意図も感じます。
その気になれば旧ジャニーズ側が法人として被害者となるようなこともできるような気もするのですが…。
どちらにしても被害者の方の大きな勇気がないとこの加害についての刑事告訴は難しい状況のようです。
しかし日本の社会の問題だからといって、被害者の最終的に刑事告訴しない判断は尊重されなければなりません。誰もその判断を責めることもできませんし、する必要もありませんし、してはいけません。

もう一つ僕が思っているのは、能動的に警察が捜査を始めないか?始めさせることができないか?ということです。
今回、旧ジャニーズ側はジャニー喜多川氏のほかにも2人の人物が性加害に関わっていたことを明らかにし、それに伴いメディアの報道もあり、旧ジャニーズの元タレントも捜査の要望をしているわけで、その内容は警察も知り得ているはずです。
この世界的に稀に見る最悪な性加害事件の一連の加害者を日本の国家権力としての警察が野放しにしておいて良いのか?
刑事告訴や証拠を待つ前に日本の社会秩序を守るために、警察が矜持を持って自らが動くことはできないのか?もしくはしないのか?
要は明らかに事件性の高い犯罪が起きていることがハッキリとしているのに、日本の警察はその犯人を野放しにしておくのか?ということです。

これには日本社会としての世論にそのことを指摘する大きな動きがあれば、警察も動きやすくなる可能性がありますが、それを盛り上げるはずのメディアが先ほども書きましたが旧ジャニーズ側に忖度している状態です。

また、これは以前からこのブログで書いてきていることでもありますが、最近の警察は動きません。仕事をしません。
何かと理由をつけて動きません。事務屋になってしまった印象があります。

先日、放送されたNHKスペシャル「調査報道・新世紀 File3 子どもを狙う盗撮・児童ポルノの闇」の中で未成年の頃の裸の写真をネット上に流出させられた女性の相談に「1回ネットに出回っちゃったら、もう止められない」という旨のことを言うのみで何もしない警察の有様が伝えられていました。
明らかに児童ポルノ禁止法違反の事件であるのにも関わらず被害者に寄り添おうともしない。

また、5年前のあった「あいちトリエンナーレ2019」での芸術監督・津田大介氏への脅迫FAXが送られてきた事件でもこんな話があります。
無責任な憶測の飛び交う『愛知トリエンナーレ』における実情。(Catwalkより転載)
上記リンクは写真家で作家でもある藤原新也さんのサイトですが、ページ中段で脅迫FAXが届いた以降の経過について書かれています。
津田さんは脅迫FAXが届いたその日に警察に捜査を依頼。
しかし警察はFAXのヘッダーの部分の発信者番号が5桁しかなかったため「これじゃ発信元わからないから犯人わからないね」というぞんざいな対応を示し、そのまま帰ってしまいます。
その後、津田さんは自ら専門家などに解析を依頼し発信元を特定。警察が動いたのはそれからのことです。
そもそもFAXの発信元を特定するのは警察の仕事のはずです。

これが今の警察の善良な国民に対する姿勢です。

これが現実であると、希望のないことを言いますが、僕はそれでもあきらめてはいけないと言いたいのです。あえてこれは強く強く強調したいです。
何度も書きますが、これは僕ら日本社会の問題です。ここから真実を明らかにして、そこから学ばなければ、また同じ忌まわしい事件が起こり、また残酷な目に遭う被害者が増えるのです。また過ちを繰り返すのでしょうか?

それを肝に銘じて、まずは声をあげつづけること。それを決してあきらめて辞めてはいけないのです。

追記。========
国連のビジネスと人権作業部会の最終報告書の中で、旧ジャニーズ側が被害者に弁護士費用を自己負担させていることについて、旧ジャニーズ側が反論していて、その分を補償額に反映しているとのことですが、おそらくそういうことではなく、旧ジャニーズ側の被害者らへのアクセスの欠如も指摘されているのですから、弁護士費用等を被害者がいったん立て替えさせている部分に問題があると作業部会は指摘しているのだと思います。
この点一つとっても、被害者に寄り添わずに保身が透けてきます。

関連リンク。========

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