平安時代好きブロガー なぎ です。
2024年5月のこと。
風俗博物館の実物大の展示において、女房装束[俗称:十二単]が展示されていました。
2022年に風俗博物館を訪ねた時は二十枚の重袿のみが展示されていたのですが、2024年は二十枚の重袿の上に表着・裳・唐衣が加えられての展示となっていました。
※二十枚の重袿:藤原道長の娘で三条天皇の中宮[この時は皇太后]、姸子(けんし・きよこ)が開いた大饗の場面において描かれる重袿(かさねうちき)を再現されたもの。
※藤原姸子の「姸」は環境依存文字のため「妍」と書かれる時もあり。
まずは2022年の展示の様子をご覧ください。
【2022年5月撮影。二十枚の重袿。斜め前から撮った様子。】
単(ひとえ)の上に袿(うちき)を二十枚重ねた姿です。
【2022年5月撮影。二十枚の重袿。斜め後ろから撮った様子】
2022年の展示はブログ「晴れのち平安」過去記事をどうぞ。
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【平安あれこれ】20枚の重袿(風俗博物館で展示・2022年)
そして、2024年5月に展示されていた女房装束・唐衣裳[俗称:十二単]です。
【2024年5月撮影。女房装束・唐衣裳[俗称:十二単] 斜め前から】
2022年の展示とは違い、2024年の展示では、
単、二十枚の重袿の上に、表着(うわぎ)、裳(も)、唐衣(からぎぬ)を着ていました。(打衣は省略されていたのかも?)
裳や唐衣を着けることで、重袿姿[袿姿]からいわゆる十二単姿となりました。
十二単姿は正しくは「女房装束」や「唐衣裳」姿と呼ばれます。
【2024年5月撮影。女房装束・唐衣裳[俗称:十二単] 後ろから見た様子】
裳を後ろに長くひくのが素敵
【2024年5月撮影。女房装束・唐衣裳[俗称:十二単]袿の部分をアップで撮影】
それぞれの色や枚数を確認できます。
二十枚の重袿(かさねうちき)
柳の重色目 [表:白 /裏:青] 七枚
山吹の重色目 [表:山吹/裏:黄] 六枚
紅梅の重色目 [表:紅梅/裏:蘇芳]七枚
【2024年5月撮影。女房装束・唐衣裳[俗称:十二単] 袖もボリュームたっぷり】
【2024年5月撮影。女房装束・唐衣裳[俗称:十二単]】
たくさん着ていることもあり、裳の引腰(ひきごし)を結ぶのもギリギリの長さに。
実際に着ると重くて身動きするのが大変だと思いますが、このように袿をたくさん着た女房が居並ぶ姿は壮観だったと思います。
(ただ、倹約令が出ている最中の華美な演出に姸子[妍子]の父・道長が怒るのは無理もないかも…)
今回、展示を見ることができて眼福でした!!
「源氏物語の時代~かさねの美への競演~ 二十枚の重袿」博物館での解説パネル
『栄花物語』巻廿四「わかばえ」にある重袿について。博物館での解説パネル
風俗博物館
京都市下京区堀川通新花屋町下る(井筒左女牛ビル5階)