普通な生活 普通な人々

日々の何気ない出来事や、何気ない出会いなどを書いていきます。時には昔の原稿を掲載するなど、自分の宣伝もさせてもらいます。

魂消る。

2011-11-09 23:52:48 | 普通な人々<的>な
 なにかに「おったまげた」ことはありますか? 「たいしたたまげた」って、淡谷のり子さんの口癖でしたっけ? 

 なんだか若い頃から、この「たまげる」という言葉が好きだった。漢字で書くと「魂消る」と書くのだが、この漢字の感じが好きだった。

 国語辞典などには「非常に驚く。肝をつぶす。びっくりする。」といった意味が書かれているが、魂が消える、すなわちなにか反応できるほどの正気も残っていない、それほどの驚きなわけで、そのニュアンスが良い。魂消た顔が想像できるのだ。

 こんなにハッキリとニュアンスを感じさせてくれる言葉はそうそうない。
 
 しかも、なにか祈り的なニュアンスまで含んでいそうな気がするじゃないか。実際そんなことはないわけだが、そんな感じがするという思い込みの話。

 最近魂消たのは、やっぱり3.11の大震災だったが、最も最近魂消たのは、2日間、ただの一人の人とも口を利かなかった事に気付いたこと。もちろん家族とも。

 これは自分でも「何かがおかしい?」と真剣に考えた。そしてなおさら魂消た。

 誰とも会っていなかったのだ!

 人に会ってなんでも良いから喋って、たまに突付き合うなどスキンシップを取って、そうして始めて人間は人間足りえるのだと、心底思っている人間にしては、やたら軽はずみな2日間であった。