○はじめに
ピアスタッフが精神科病院及びその付随施設、また当事者支援施設等で就労して
ずいいぶん時が経ちました。私自身も精神科の病院で働き出して6年目になっています。
また様々な研修等でPSW(精神保健福祉士)・CSW(社会福祉士)を
取得しているピアスタッフの話しも聞いたこともありますが、
障害が軽度と思われるピアスタッフの場合、独立して施設を開設したり、
団体を立ち上げたりして活躍している方も見られるのは確かですが、
往々にして病院を始め、施設に所属して働いている方が大半だと思われます。
その中でよく聞かれる話が「健常者で有資格者とピアで有資格者の働き方の違い」です。
精神医療で重要な「相談業務」に関わっている人はさほど多くいないというのが私の印象で、
「健常者で有資格者」よりも業務の幅が狭いのが現状だと思われます。
平たく言うと「当てにされていない」と言うことです。
病院や施設の立場で言えば、「スケジュールが入っているのに
突然体調が悪くなって休まれると困るので重要な相談業務には向かない」という言い分には
ピアスタッフとして「二の句も出ない」ところです。
また、当事者で施設を利用している側でも
「○○さん(ピアで有資格者)には、(制度的なこと)は相談できない。」
という利用者さんもいて、職員からも利用者さんからも資格に関する
業務はあてにされていないようで、しかし利用者さん側からは、
疾患を抱えていることへの生きづらさに関する相談事は健常者職員でなく、
ピアの有資格者に相談するということもみられるようだが、
それであれば資格を持つ必要性というのが薄れているのではないかと思うし、
ピアの有資格者は『資格を取ることによって健常者職員と同等に扱われる。』という望みも
泡沫に消えてしまうのではないかと思ってしまい、
自分自身ではPSW・CSWという資格については、
以上のようなさまざまなピア有資格者の受難ともいうべき現状から、
『純粋に資格を有していることへの意義』を考えると、
私にとって魅力は感じず、それならば『ピア』と言うことを
全面に出して『ピア相談員』としての資格を取り、
病院や施設に『ピア相談員』の業務を確立してもらった方が良いのではないかと思う。