著者は「臨床心理士」で裁判所から鑑定を依頼されるほどで大学の教授である。
この薄い文庫の中には10件の事件が収められている。
深掘りできた事件もあり、判決が早々に確定してしまい面会できずに浅堀に
終わったものもありで全編にわたって満足できるものではありませんが、
「臨床心理士」ならではの洞察もあって後半になるにつれ読み応えが増してきます!
取り上げられている事件はどれも読むと「あ~、あの事件ね」と、
思い起こすことが出来る事件ばかりです。
ひとつ、ふたつ挙げますと・・・
『東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件 宮崎勤』
『秋田連続児童殺人事件 畠山鈴香』
『奈良小一女児殺害事件 小林薫』・・・。
いわゆる朝やお昼のワイドショーでは「極悪人」というレッテルを貼られてしまった
受刑者ばかりであるが、本書を読むと「ずさんな捜査と裁判で人の運命を決定して良いのか?」
このように思ってしまうのは私だけではないはずだ。
薄さの割に体調不良で三日で読了。
ん~、この本読まずに死ねるか!