まず題名の『職業政治家』というのは「『職業としての政治』マックス・ウエバー 著」から取っています。最初の方は様々な政争や行政との葛藤など、さまざまな舞台裏がインタビューとして聞かれ、興味をそそられました。小沢氏は自民党在籍当初から、大蔵省(現 財務省)との太いパイプがあることは知られており、他の政治家ならば役人にバカにされていたところは、小沢氏の場合は一目置かれ、「内情を知り尽くしている」小沢氏に正直にならざるを得ない数少ない政治家ということが書かれています。小沢氏が自民党を出る際の内情はあくまで「小沢氏側」から書かれていることですが、細川護煕内閣、民主党時代に様々入れ替わった総理大臣。小渕総理とのやりとりや渡辺美智雄さんを総理に担ぎ上げようとしたことの内情などなど。そして、齢80に届こうという年齢ながら「さらなる政界再編」を自分が参加する形で望んでいるという執念には恐れ入りました。
しかし、インタビューアーである佐藤章氏の小沢一郎への傾倒が著しく、突っ込んだ質問がなかったことは残念に思いました。あくまでも「小沢一郎の視点からの日本政治史観」として読むのなのならば良いのではないかと思います。
まっ、一読あれ。