みちのく童話会のお仲間・吉田桃子さまの新刊は『純喫茶クライ』。
本の帯には「あなたを待っているお店があります」。
5つの短編が、待っていてくれました。
「なみだのミルクセーキ」-ごきげんとりには要注意-
両親のケンカがひどくならないよう、ごきげんとりばかりしていた実利果。
妹にはやめろと言われるが、やめられない。
防犯ブザーが転がっていった先は「純喫茶クライ」。
口いっぱいにひろがるミルクセーキのやさしい甘さ。
両親のけんかを、自分が悲しんでいたことに気づく……
「やさしさのプリンアラモード」-がまんした悲しみ-
幼い頃、お気に入りのワンピースをジュースで汚し、自宅のケーキ屋の片隅で泣き続けた優香。
自分が泣いたおかげでおじいちゃんが亡くなったと思い、悲しみを封印し、明るすぎる振る舞いばかりしていた。
「純喫茶クライ」にケーキを届けに来て、プリンアラモードを食べる。
純喫茶は子ども食堂になり、子どもたちに服を汚され、怒りが爆発。
自分が封印していた寂しさ・悲しさを見つけ……
「ホットケーキはんぶんこ」-ひみつの初恋-
幼なじみの祐介の引っ越し先に行った篤史は、祐介が彼女を連れてきたことにとまどう。
つい、その彼女に「ちょっと空気読んでよね。ぼくたち一年ぶりの再開なんだから」なんて言ってしまう。
駅から帰る途中でみつけた「純喫茶クライ」には、大好きなゲームキャラ「みなみ」がいた。
みなみとホットケーキをはんぶんこし、初デートして、はじめて「恋」を知る……
「勇気のクリームソーダ」-なりたい自分になる方法-
人形作りだけが好きで何をやるにもとろい桜子はいつも「ふつうのひとにならなくちゃ」と思っていた。
友だちをなくさないため嫌いなホラー映画も見に行くが、気持ちは沈むばかり。
人形の妖精に誘われて着いた先が「純喫茶クライ」。
「おいしい……」クリームソーダは疲れた体に甘いアイスがしみわたった。
自分を無くして自分が砂になっていくとき、大人になった人形作家の自分が出てきて……
「しあわせのナポリタン」-どうせ、どうせは呪いの言葉-
ばあちゃんの家で暮らす、母子家庭の葵には、熊のぬいぐるみムームーだけが癒し。
ところが、母さんが家の中を片付けた時、ムームーまで捨ててしまった。
どうせおれなんてと、バスターミナルのベンチに座っていたら、怪しい男の人に追いかけられるはめに。
たどり着いたところは「純喫茶クライ」。
そこには、しゃべるムームーがいて、ナポリタンを一緒に食べる。
崩れていくムームーをなんとか直そうとして……
胸の奥に押し込めていた感情を、美味しいメニューと一緒に、
どう扱ったらいいのか、心のドアをノックして、伝えてくれます。
物語の底に流れているのは、吉田桃子さまの「やさしさ」と「文学性」。
単に「辛い感情の処方箋」じゃないんです。
私には書けない「文学」の魂が、心を救ってくれる文学性が、流れているんです。
すごいなあ、吉田桃子さま。
ますますのご活躍を!
先日購入したiPhone16 proを近くのauショップで夫氏用に契約・回線変更してもらった。
ネットでは無理だったものをテキパキとやっていただき、すぐ使えるようになった。
しかし、みちのく童話会のお仲間に会えて、ほんとうに良かったなあと。
なんだか、春が近くなったような気がしているのが不思議。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)