部屋の障子を開けたこの湯宿の窓からさまざまな音が伝わる。
そのどれもが眼を閉じれば深い眠りを誘うような優しい音。
山あいの湯治宿の効用は、何も湯あみだけではない。これら「山の音」に抱かれながら、二、三日と短い間だったが、オイラは初夏の谷間の湯宿に投宿し、久々「憩い」という言葉がよみがえった。
吾妻山のふもと、行政区では山形県米沢市に属する滑川温泉(なめがわおんせん)という清楚で素朴な宿はわが愛する湯宿のひとつ。
雨のため、一般道をつたって、十何年ぶりに標高の高い姥湯にも浸かってきた。
ここは滑川温泉と違って峩々とした岩が累々と天を突き抜けるような深山幽谷の谷あいにあるポツンとした湯宿のコバルトブルーの露天風呂。地殻変動のすざましさにややおじけずく風景だ。この先何十年、大地震や噴火、大雨にによる崩落など天変地異による交通途絶も予感されるのだが、長く生き延びてほしい湯守だ。
往復の途次、山ウド、ハリギリ、コシアブラ、ミツバなど摘んできて、宿でサラスパのぺぺろんちーろにどっさいれて食す。もちろん宿の自販から缶ビールを仕入れての晩餐とす。また楽しからずや。
こんどは「きのこのシーズン」にたっぷり訪れようか。
滑川大滝(展望台より)
滑川温泉周辺エゾハルゼミ大合唱
草の葉に憩うエゾハルゼミ
滑川温泉界隈スナップ
誰かミズナラの大木に変身させられたか
キツツキのつついたブナの幹
ミズナラの幹は不思議な曲線をえがく
この地域でもブナの実を観察。豊作だといいが。
もっと観察しないとラン科の同定は困難か。ハクサンチドリかな。(という程度)
コケイラン(ササバラン)かな。(という知識程度)
ユリ科ツクバネソウのしべは、前世紀に人類が描いた宇宙ステーションのようだ。
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