11月末に冬季閉園となる仙台野草園にひさびさ立ち寄ってみる。今年の色づき具合はどんなかな、と思いながら。やっぱり、ここ数年で(といってもまだ仙台に戻って3年目だが)もっとも色づきぐあいがよろしくないのではないか。10月初めに山の上からはじまった紅葉はどこも期待はずれ、わずかに吾妻山と夏油温泉でいい色合いを感じたが、全体に濃淡の映えない今年の秋であったと思う。
全国的にもそうか、日光や高尾山のヘリから映しだされる映像をニュースやワイドショーのアナウンサーたちが「きれいでね」とうそぶいていたシーンを何度も見たような気がする。
こんな秋が、温暖化のため毎年繰り返されないように祈りたい。
こんな秋でも、やはり静かな秋はいい。カメラのせいで、少しばかり色づいた植物たちの葉を彩度を調整し記録することができた。ノコンギクの仲間やサザンカといった初冬の花が咲きだしていた。閉園してからも季節の花たちは華やぐのだろう。
どんぐりが落ちていたので拾ってみようと手にしたら、根を張つていたみたいでプツンとした手ごたえがあった。懸命ないのちを粗末にあつかってしまった。あたりをよく見ると、コナラのどんぐりたちの多くはすでに根をしっかり土に伸ばしていた。
このようなことを「土に還る」ということなんだと思った。
コロナでたびたび休園の憂き目にあった2021年の野草園さんさようなら。ユキワリソウの3月にまた元気にお会いしましょう。
根を張り出すどんぐり「ぼくたち生きるぞ!」
イロハカエデの美しい幹と枝
ハウチワカエデの幹
やや桃色を交えたメグスリノキのやさしい紅
タカノツメのクリーム
ハウチワカエデ
ユリノキ
コシアブラのクリーム
赤・緑・黄とさまざまなハウチワカエデのなかまたち
ウルシ
サザンカ
ノコンギクの園芸種
深田日本百名山登頂の思い出 65 両神山(りょうかみさん・1723米)
深田さんの「わが愛する山々」所収の【御座山・おぐらさん】は、いつもの山友「不二さん」と「茂知くん」らとの両神山から御座山まで4泊5日の愉快な山行を描いたもので、オイラの愛する紀行文である。
だから、両神山と御座山にはぜひとも行ってみたいと思っていた。両神山は2000年6月、職場の中央研修で埼玉県朝霞市に滞在中の休日に、深田さんたちと同じ日向大谷登山口から日帰り往復している。神さびた信仰の参道らしい登山道とお社からすぐ先の山頂の狭い岩肌の記憶が割と鮮明によみがえる。
2018年の2月末、オイラは石垣島から飛んで、埼玉県の小鹿野町というところに「セツブンソウ」の撮影に行った。両神温泉というところに一泊し、翌日「セツブンソウ群生地」や「フクジュソウ群生地」を歩いた。咲きだしたばかりのセツブンソウは、早春の淡雪に半ば埋もれていたが、日当たりのいい草地にフクジュソウが元気に咲いていた。それらの場所から間近に仰いだ両神山の要塞のような峩々とした姿に目を見張った。「こんなに形のいい山だったのか」と。前に登った時には、梅雨空で雲に隠れていたのかもしれない。はじめて見たような山容だった。
ヤマケイ文庫「わが愛する山々」の表紙を飾るこれも堂々とした御座山は未踏で宿題の山だ。深田さんの愛したご近所の荒船山とセットで計画してみよう。
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