水を含んだ名残りの雪が未明から今朝にかけて少し積もった。昼にはすぐに溶けだしてきたが、昼過ぎの西公園の芝生はまだうっすらとしていた。一昨日のシメさんグループの姿はなかった。どこで何をしているんだろう。
公園の若い娘の銅像の足元にハクセキレイがチョコチョコ歩いていた。都会にいても、物おじしない彼らだから、ヒトの銅像なんて意に介さないだろう。たとえ年ごろの娘の像であっても。
公園の奥を歩くと、数羽の小鳥が雪の混じった地面をチョコチョコ歩きながらエサを探していた。あの「だるまさん転んだ歩き」のツグミさんたちでないことは、その歩き方や大きさからすぐ分かるし、スズメほどの大きさだが、スズメはチョコチョコとは歩かない、チョンチョンと飛び跳ねて前に進む。
望遠レンズで覗くと・・・・・地味な色合いといい、白い眉といいセキレイ科タヒバリ属のビンズイくん/さんではないか。
ビンズイといえば、毎年6月の蔵王山上歩くと標識のてっぺんにちょこんと乗っかって「ツィツィツィ、チーチーチー・ズィーズィーズィー」と高らかに気持ちよさそにさえずっている、あの愛らしい小鳥だ。
そうか、彼らも越冬のため、冬はこのような平地の街の公園にもやって来て命をつないでいたのか。
「今夏も、また蔵王山上を歩くから出てきて歌っておくれ」と心でつぶっやく。
その歩き方は、まさしくセキレイの仲間ですね。
西公園で花咲かす臥竜梅(がりょうばい)は、伊達政宗公が朝鮮半島から持ち帰って
青葉城址に咲かせていてものを、明治維新以降この地に移植した由緒ある古木だと
案内板に帰されていた。樹齢400年以上か、幹は曲がりくねって苔むしている。
その苔の上に、うっすらと昨日の雪が残っていた。今日のうちには溶けて、また地に吸い込まれ、地下水となって、長い間に大気となり、いつの日かまた雪となって下りてくるのか。
水もまた、この梅の木のように長い時間を旅しているのだろう。
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