夜明け前の空に茜色の雲が漂っている。その上方に心細そうな二十五夜の月。今日12月8日は太平洋戦争(あの大戦は、まだ正式な名称が定まっていないとのことであるが)のパールハーバー奇襲(国際法違反か?)から82年目になるとか。テレビはほとんど放送しないし、新聞の見出しにもなかったが、かろうじてコラム「天声人語」で知った。
それだけ戦争の記憶は風化しているということなのだろうが、オスプレイの原因不明の墜落事故があったばかりなのに、わが国の為政者が同機の飛行停止を米国に要求しなかった事実は、いまだ敗戦を引きずっているといえよう。あわせて当時の為政者と同じく、為政者が国民の人命財産を第一に考えていないことは、82年前のままなのだろう。
12月8日の「大本営発表」は、記憶というよりも朝ドラに何度も教えられ、大事な青年が何度も戦で命を落とし涙を誘った。最近では「カムカム」の「雉島稔」さん、「ブギウギ」では「花田六郎」が大空に逝った。
わが国の為政者が日本国民たる兵士の人命を顧みないことは、映画「ゴジラ-0.1」や同じ監督の「アルキメデスの大戦」で思い知らされた。
82年前の未明、西太平洋の空母から飛び立った真珠湾攻撃に向かう青年たちも、あの日、茜雲の雲と細々とした月を眼にしたのだろうか。その月は美しかったのか。
明日の未明は、二十六夜のお月様が、おとめ座の「スピカ」と金星に接近するのだという。起きられるか。BS日テレ「深層NEWS」の「裏金疑惑」放送にため息をつきながら、今宵は早く寝よう。