花菖蒲:アヤメ科。花言葉は、優しい心、あなたをしんじる。野菖蒲を原種とする日本独特の園芸植物で、古くから観賞用に栽培される。葉は長さ30~60cm、偏平な線形で菖蒲の葉に似るが、中肋が太く目立つ。開花は6~7月、高さ100cmの花茎が抜き出て、その頂に径約10㎝の美花を2~3個つける。あやめや杠若より花が豪華である。六個の花弁のうち、外側の三個はさらに大きくなることが多いが、垂れ下がることはない。江戸時代末期に盛んに改良が行われ、花色は、紫、白、絞りなど、花形も多様である。花菖蒲の開花は梅雨時だが、多少の雨に濡れても花は美しい.水陸どちらでも咲くが、水面に映える花姿も美しく、水辺に似合う花である。「黄菖蒲」は同族別種でヨーロツパ原産で、日本でも野生化している。華道でも、杜若はふんわり優しく活けるのに比べて、花菖蒲はきりっと高めにまとめる。「おほぞらはうすぎぬびかり花菖蒲 鍵和田柚子」「花菖蒲たゞしく水にうついけり 久保田万太郎」「きれぎれの風の吹くなり菖蒲園 波多野爽波」。堀切菖蒲園は有名だが日本が原産地だけに他にも有名菖蒲園があリ、また多数の人がこの花の句を詠んでいる。(梅雨空を 見上げて咲けり 白菖蒲 ケイスケ)