夏至;夏は夜。月のころはさらなり,闇もなほ,蛍のおほく飛びちがいひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。清少納言「枕草子」より。「夏の夜はまだよいながら明けぬるを 雲いづこに月やどるらむ 清原深養父」。今日は二十四節氣の夏至。日の出午前四時二十五分、日の入りは午後七時。昼は十四時間三十五分もあるのに夜は九時間二十五分しかない。「みじか夜や浅井に柿の花を汲 蕪 村」「廻廊に夜の明けやすし厳島 涼 菟」「山の木の葉音さやかや夏至の雨 鷲谷七菜子」「夏至といふ寂しさきはまりなき日かな 轡田 進」。例年のことながら過去の統計でも、夏至は曇天の日が多いとの事である。(短夜も 蒸し暑くして 夜長なる ケイスケ)