川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

コニヤンの「出発式へのメッセージ」

2011-03-03 12:23:03 | こどもたち 学校 教育

高知のコニヤンが働いている不登校の中学生が日々集う「教育研究所」でも3年生の<卒業>の日が近づいているようです。生徒たちの学籍はそれぞれ地域の
中学校にあるわけですからここで「卒業証書」をもらうわけではありません。だからか、「卒業式」とは言わず、「出発式」です。「出発」という言葉にはここに関わる
すべての大人たちの子どもたちに贈るメッセージが込められているのでしょう。
 コニヤンは自分が関わってきたすべての卒業生に毎年、毎年、「出発式のメッセージ」を贈っています。僕が知ったのは3年前のことです。高知にこんな教師が
いるのか、それも僕の高校の後輩に!驚くやら、嬉しいやらで、早速、同窓会名簿で本人確認を試みたものです。
 それ以来、僕の方は勝手に百年の知己のように思ってつきあってもらっています。こんな教師がいることを日本中の人に知ってもらいたいとも思います。
「出発式」は何年間、あるいは何ヶ月間のつきあいの総決算ですから、こういうメッセージがどういう営みの果てに生まれたかは想像力の世界です。コニヤンのブ
ログを読んでいると子どもたちとつきあう日々の営みがどんな風であるか、どのような人生の歩みの中で生み出されたか、想像する資料の宝庫に出会うことが出
来ます。
 勝手ながら今年の「出発式へのメッセージ」をそのブログから紹介します。本番は14日です。
 
「出発式へのメッセージ」
今年もいよいよ出発式の季節が近づいてきました。
今年度も子どもたちからたくさんの「人生の真実」を教えてもらいました。
そのことをここに綴りたいと思います。ああ有情。
 
 Aくんへ
2年半のつきあいだったよね。3年の3学期になってからの通所はすごかった。君の強い意思をいつも教えてもらったよ。みんなのなかに入って生き生きとやりよったもんね。大丈夫。これからの高校生活に期待しているからね。「自分の好きなことに没頭する」ということをいつも教えてくれてありがとう!
 Bくんへ
2年3ケ月のつきあいだったよね。通いはじめの頃からいうと、トライや駅伝とやり通し、ずいぶんと成長したね。自分の言葉をしっかりと持っていた。後輩にやさしく接したり、後輩にめんどうみのいい君の姿にいつも学んでいた。テニスも上達したね。
いつも「感性の鋭さ」を教えてくれてありがとう!
 Cくんへ
2年間のつきあいだったよね。(2年の時はK先生。直接担当になったのはこの1年間だったよね。)野球も上手くなったね。
あの文化祭の「意見発表」は感動したよ。
この2年間の成長ぶりはすごかったよね。
君のやさしさをいつも感じていたよ。
「誠実に生きる」ということをいつも教えてくれてありがとう!
 Dさんへ 
2年間のつきあいだったよね。
(2年の時はS先生、3年の時はМ先生とダブル担当だったね。)
トライの時もよく歩き通したよね。いつも控えめながらも自分の考えをしっかりと持っていた。家の手伝いもきちんとやっていたもんなあ。
「地道にマイペースで生きること」をいつも教えてくれてありがとう!
 Eくんへ
2年間のつきあいだったよね。
(2年の時はK先生、直接担当になったのはこの1年間だったよね。)
君の笑顔をいつも忘れない。これからもその笑顔を忘れず、自分からできることをやっていってほしい。野球も上手くなったね。
「自分のペースをつかむ大切さ」をいつも教えてくれてありがとう! 
 Fくんへ
2年のつきあいだったよね。あの文化祭のオリジナルダンスはすごかった。感動した。一度やると決めたらその通りに実行する君の強い意思をいつも教えてもらったよ。
「人間にはそれぞれの自分のペースがある」ということをいつも教えてくれてありがとう!
 Gくんへ
1年半のつきあいだったよね。
友達もたくさんできて、ずいぶんとたくましくなったもんね。
文化祭での「コント」は一生忘れないよ。私にとっても初めての「コント」だったからね。学習意欲もすごく出てきたよね。
料理や音楽、サイクリングなど君の多方面にわたる興味関心を生かす道は必ずあるからね。
肯定脳でいけよ。
「肯定脳の大切さ」をいつも教えてくれてありがとう!
 Hくんへ
1年1か月のつきあいだったよね。
よく生き方とか、いろいろなことを話したよね。君の笑顔がいつもステキだった。生活リズムを大切にしてこれからもがんばってほしい。
「ボチボチ力の大切さ」をいつも教えてくれてありがとう!
 Iくんへ
11ヶ月のつきあいだったよね。目標に向かってやりきったことはすばらしいよ。英語もどんどんやっていきよ。
高校での放送部での活躍に期待しているからね。
いつも「こつこつやる大切さ」を教えてくれてありがとう!
 Jくんへ
10ヶ月のつきあいだったよね。文化祭での空手の演武かっこよかったよ。すごく自立に向けて成長してきたなあと感じているよ。これからも空手を始め、いろいろとやってみたらいいよ。
いつも「前向きに明るく生き、しかもノーテンキである」と「感性を磨くこと」を教えてくれてありがとう!
おばあちゃんをこれからも大切にしろよ。
 Kくんへ
6ヵ月のつきあいだったよね。自分からの意思を強く感じた。
そして、心を開いてくると自分の行動が変われることを身をもって示してくれた。「自分の意思を貫く大切さ」をいつも教えてくれてありがとう!
 Lくんへ
 5ヶ月のつきあいだったよね。自転車で初めて学校に一緒に行った時の光景を今でも鮮明に覚えているよ。週に一回学校に行き始めた君が次第にたくましく成長していく姿が私にはすごくうれしかった。
「学校に行くことの意味」をいつも教えてくれてありがとう!
 Мさんへ
 中2の終わりから会っていたけど、本格的に話をしたのは3年生の最後の四ヶ月だったよね。自分を語れる「言葉」を持っている。演劇をやりたいという夢がある。どんどん自分のものを出していってほしい。
「自分の思いを語る大切さ」をいつも教えてくれてありがとう!
 Nくんへ 
1か月のつきあいだったよね。あまりゆっくり話せなかったけど、君のまっすぐな気持ちがいつも伝わってきたよ。「人を信頼するとは」ということをいつも教えてくれてありがとう!
【コニヤンからのメッセージ】
 今年は、3年生を14名担当した。
 
私も退職まで後4年となり、日々君たちと接している時間がすごく貴重に思えてきた。
 
オジサンの私がいつまでも心身ともに若くいられるのは、君たちから輝くような「感性」というエキスをもらっているからだといつも思っている。君たちとつきあって、いつも感性を磨かせてもらった。
 
そして、一人ひとりから人生を生きていくのにすごく大切なことを教えてもらったよ。こうして、出発する子どもたち一人ひとりにメッセージを書いていると、私は、一人ひとりの子どもたちからたくさんの『ココロのプレゼント』をしてもらっているのに気づく。
 
そしたら、私たちが、どんなことをみんなに贈ることができたのだろうか。
 
悩みを聴き、不安をなくして、安心できる居場所を提供し、そして、その中で共有しながら生きてきた、ただそれだけのことだったのかもしれないなあと・・・。ほんとうに『教育ってなんなんだ』とか、そんな大きすぎるメッセージはないなあと・・・。
  
毎日の小さな、小さな『営み』。その繰り返される日常の中で、私たちの営みがなされていること。そのことに、ふと気づいたとき、私は、いつも現実を前にして悩んでしまうのだ。
でも、そんな小さな営みの中で、私たちは、いつも君たちの中からダイヤモンドのような輝きを見つけることができた。それが、私たちにとっては、大切な宝物なんだよね。こんな小さな小さな営みが、実は、私たちにとっては、『生きがい』だったと思っている。
 
毎年の「出発生に贈る言葉」は、決まっている。
 
あのジェームズディーンの映画『エデンの東』に出てくるセリフ。
☆「人間は、他の動物とちがって星の数ほどある生き方の中から自分で選ぶことができるんだ」ということ。
☆☆自分の生き方を自分で決めるということ。このことを大切にして
これからも生きていってほしい。
★「今日も笑顔でボチボチです!」人生、ボチボチ力ですよ。これっすよ。それとね、やはり
★★「肯定脳で生きること」
これやね。グッドラック!!!ほんとにありがとう。    ああ有情。
                (文責:コニヤン/2011.2.27早朝・記)

 

出典●http://blogs.yahoo.co.jp/gogokoniyan/51851932.html

 

●川越だより「こにやん」http://blog.goo.ne.jp/keisukelap/d/20080327


最新の画像もっと見る

コメントを投稿