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林邦史朗先生。
(1938-2015)
NHK大河はじめ多くの映像作品
で殺陣師として殺陣や武術やア
クション演出を担った第一人者。
歌舞伎のような芝居がかった剣
劇ではなく、リアルな殺陣を歴
史の中で確立させた人。
斬鉄剣小林康宏の関係で、私は
林先生とは個人的に付き合いが
あった。ご自宅にも泊めてもら
ったりもしていた。
ある案件で困っている時、私が
職場の弁護士を紹介した。
林先生はスズキのバンデット
250に乗って来訪した。緑の。
「都内はこれが一番速い」と
笑顔を見せながら。
林先生は二輪乗りだった。
忘年会や普段見せる笑顔はナイス
スマイルの人で、お人柄もとても
いい。仕事の時のキッとした感じ
とまるで違う。奥様も笑顔が素敵
な方で、笑顔に包まれた明るいご
家庭だった。
林先生と個人的に付き合うと気づ
く事があった。
それは、見抜きに非常に長けてい
た人だった事だ。識別眼がとても
鋭い。これは何についても。
どんな事でも理解をうやむやにせ
ず、明確な認識をする方だった。
それと、記憶力が半端なかった。
普通の人ではない。
私は林先生は、仕事は映像作品
製作と劇団主宰ではあるが、武
術者が真の姿だと感じた。武芸
者だ。役者でもあったので、一
刀流の小野忠明役も武田信玄役
もNHK大河で演じた事もあった
が、剣士役などは剣術者そのも
のだった。
プライベートでの日常会話は東京
下町育ちらしく、正調江戸弁
の人だった。喋り方がスパッと
していて気持ちがいい。
の人だった。喋り方がスパッと
していて気持ちがいい。
一度、林先生が所蔵される真剣
刀剣類を全て見せてくれた事が
あった。全部拝見するのに何時
間もかかった。
美術刀剣愛好家たちからしたら
眉をひそめるかもしれない。
林先生は歴史的な銘刀だろうと
全て切っていた。
「すべて切ってますね」
と私が言うと、林先生は、
「だって、私は刀は刀だと思う
から」(ママ)
と答えた。
然り、であると感じた。
終電に乗って下りた私鉄駅の駅前
で、二人ですすった屋台ラーメン
の味が忘れられない。
「うちに泊まっていきなよ」と
林先生が誘ってくれて来た初めて
の町での駅前屋台ラーメンだった。
日本の映像作品の歴史に大きな
足跡を残した林邦史朗先生は、
2015年に残念ながら病気で他界
した。良人がまた一人鬼籍に入
った。
時代劇などの武術演技指導は、
先生の後進がしっかりと今担っ
ている。
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