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1983年頃製造されたガーバー
C375スタッグモデル。
ハイスピード鋼の研ぎ味は、
きっちりとしていてとても
判り易い。
純炭素鋼は計測硬度が高硬度
であっても、特殊合金鋼に比
べるとヌッペリとした感覚が
ある。砥あたりは特殊合金に
比べると遥かに良い。
しかし、SUS合金鋼の中でも、
ハイス鋼の研ぎ味は私は嫌いで
はない。リニアにいろいろな
やりようが出せるからだ。
無論炭素鋼でも自在に出せるの
だが、体感感知の差異がハイス
鋼のほうが明瞭で、炭素鋼は
ある程度ファジーな面もある
というだけの違い。
炭素鋼には独特の魅力がある。
それは、天然砥石が驚く程利く、
という点だ。
人造だけでは絶対に日本刀の
鑑賞研ぎなどはできない。
包丁や実用ナイフのような鋭利
にさせる研ぎしかできない。
このような研ぎは、天然砥石だ
からこそ可能になる。
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600円で売られている全鋼の
安い肥後守でも、天然砥石で
日本刀研磨と同じ手法を用い
たら、このような鋼の素顔を
引き出す事ができる。
この鋼の素顔の地肌は、まる
で日本刀だ。
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