夜22時過ぎ。
年内最後のT京音大での授業がありまして、今日は、来年度の年度末制作に向けての実習の、一度目の山場となる日でしたので、
午前10時30分から、約10時間ほど、途中、20分ほど、お弁当を頂く時間はありましたが、あとはノンストップで、ヘッドフォンを片手に、教室内をうろうろと歩き回りながら、学生さんの作業の立ち会い(監督、ヘルプ含む)のようなことをやってまいりました。
おかげさまで、こちらの方は、いい感じで先が見えてまいりました。あとは学生さんの自主性や、助手の先生にまかせつつ、来年の第二の山場を楽しみに待つとします。
夜になり、かなり寒くなりましたし、雨もずいぶん降っています。
大学の構内のみならず、やがて雪へと変わるかも、という予報に、濡れた足元に注意しながら、最寄駅の改札を出ました
……ら。
改札を出たところで、すぐに、行く手を遮るように、呼び止められたのです。
「あの、ちょっとすみません」
「はい」
「職務質問なんですが」
(でたな(笑))
一緒に改札を降りた大勢の方たち(余裕で2百人以上はいましたよ)が、次々と僕を追い越していく中、二人の制服姿の警察官に呼び止められ、
「ちょっとこちらへ、お願いします」
僕は、脇へ連れていかれました。
皆さん、ちらちらと見て、通り過ぎていきます。
(むむ。僕のブログ読んだか?)
と一瞬思いましたが、そんなはずもないですしね(笑)。
「今日、何か身分証明書は、お持ちですか?」
「はい、あります。どうぞ。」
ここで、ぎょうざ倶楽部の会員証を差し出せばよかったのですが、お互い寒いですし、
だいいち、早く帰りたかったので、普通に免許証を見せました。
「えー、川村さん、ね。ああ、この付近の方ですか」
「そう、この付近の方ですよ」
「そうですか」
と、「では」と、ここで解放になるかと思いきや、
「今日は、お仕事帰りかなにかですか」
「そうですね」
「お仕事は、どちらでどのような?」
「今日は、T京音大で、音楽を」
「あ、音楽の先生ですか」
「まあ、それだけでもないんですが、…そうですね」
でも、別に、解放にはならず。
「それでは、すみませんが、お持物、拝見させて頂いてもよろしいですかね」
「別にいいですけど、何かあったんですか?」
「いえ、特に何かあったというわけではないんですけどね。」
と、バックに手を伸ばします。
「そうですか。……はい、どうぞ。」
とショルダーバッグを首から抜いて、渡します。
「それでは、目の前で拝見します」
と、チャックを開け、バックの中を見る警察官。
もう一人は、僕の様子をうかがっているようです。
「この、カメラは……ご趣味ですか。」
「そうです。」
(写真見せてっていうかな。今、データには何が入ってたっけな。昨日の忘年会の写真とうでんと、えっと・・・)
特に見せろとは言われず。
そして、彼らはとうとう、アレに気づきました。
「これは?」
「はい?」
「こちらの袋は?お買いものですか?」
「そうです」
「中身は」
「とちお揚げです。二個入ってます。」
「とちおあげ?」
「ご存知ないですか?大きな油揚げのようなものです。おいしいですよ。見ますか?」
「あ、いえ、結構ですよ」
でも、プニプニと、袋越しに、とちお揚げを押して確認する警察官。
その後も、小さなところまでくまなく開けて、色々、取り出して眺めてたり。
まあ、仕事ですものね。
で、もう終わりかな、と思ったら、
「それでは、最後に、お召し物の方もチェックさせて下さい」
と、コートのポケットの中にまで、ぐいっと手を突っ込んできましたよ。
で、
「これは携帯ですね」
「そうですね」
「で、これは、えーと」
「……カイロですよ。あまり手を冷やさないようにと」
(寒いので、使い捨てカイロをポケットに入れてに握ってたんです。良いですよ、とても)。
その後、
「ズボンの方もすみません」
と、コートをまくり上げて、ジーンズのポケットも全部チェックして、
ようやく、
「はい、どうも、結構です。すいませんでしたねー」
というので、
「いえ、いいんですけど、……やっぱり、僕は怪しく見えるんですかね。あれだけ大勢いた人の中から、ピンポイントで選ばれたんですから」
というと、ちょっとだけ会釈をするように頭を動かして、
「どうも、ご協力ありがとうございました。」
と。
・・・否定しないんかいっ、という(笑)。
という、ブログ的には、偶然にも、タイムリーなお話でした。
・・・あ、別に僕は、常にとちお揚げをバッグに入れて歩いているわけではありませんからね(笑)。
さて、ぷにぷにされたとちお揚げ、焼こう。
ではー。