ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




ピアノの前に座ってはいても、弾いているより、エンピツを持っている時間の方が遥かに長い日があります

リハーサルに入る時には、ミュージシャンに、大概はその曲のレコーディングの時に使われた譜面が配られます。と言っても、ロックやポップスの場合は構成とコード進行が書いてある程度のものがほとんどですが、それでも、これがあると実際に演奏するミュージシャンはだいぶ助かります。作者やアレンジャーさんの意図したコードが、きちんと書かれているわけですから(たまに間違ってるんですけどね。まぁレコーディング中に気が変わった、とかの理由で(笑))。

でですね、譜面が無い場合というのは、大体こんな理由が考えられます。

1、存在はしてたのだが、いつの間にか無くなった。

2、そもそも、最初から譜面なぞ書かれていない。

3、ヤギが食べてしまった。

どれも良くあります。古い曲なぞは、1のケースが多いですね。ヒップホップ系の方の作った曲や、ロック系でも一人で全部打ち込んで作ってしまうような方のは2のケースがよくあります。超有名な多作の作曲家の方で、一度もコード譜なんて書いたことないよ、という方もいらっしゃいます。あと、3のヤギ・・・ねぇ(笑)。これも本当に時々言われるんですよ。「譜面、無いんだよ。ヤギがねー。なんで悪いんだけど、書いてもらっていいかな?」って(笑)。ついでに「あ、こないだ貰った請○書もヤギが食べちゃったからね。」なんて言われたりね(←勿論、冗談でですよ(笑))。まぁ、どの理由にせよ、やっぱり譜面はメンバーの意思疎通の為に、一旦はどうしても必要なものなのですよね。となると(誰かが(笑))地道にコードを一つずつ、ひたすら耳で聴き分け、書き留めていく作業をしなきゃならないんです。

曲によっては一聴しただけで、「はいはい、これは定番の進行だね」などと、スルスルと判明してサクッと譜面が書けてしまう曲もあります。こういうの、嬉しいんですよねー。すっごくいい曲なのに簡単で、20分くらいで全部書き終わったりすると、もうその曲をナデナデしたくなります(笑)。

あるいは、予想を裏切る、ちょっと変わった展開が入ってたりして、「ん?今、どこ行った?」と何度か聴き返しながら、可能性のあるコードを順番に探っていって、次第に全体が分かる曲もあります。曲を作る人はみんな、何かしらちょっと冒険や新しい試しみをしたいものですからね。大体はこのケースです。

しかしたまに、もの凄~く複雑な(まぁ、一般的に『お洒落な』とも言うような)コードが入ってたりして、しかも時にはそれが連続してバッシバシ使われていたりしていて(ジャズやフュージョンなんかでは日常的に使われているテクニックなんですが)、聴くこちらも手間取って、聴き取りにやたら時間が掛かってしまう曲もあるんです。同じコードでも、録音やミックスの状況による音の聴こえ方の違い、なんてのありますからねー、たった一つのコードがどうしても判明しなくて、そこで何時間も引っ掛かってしまう、なんてことも実際あるんですよ

でもね、時間が掛かった分、そんな知恵の輪のようなコードが一つ判明するたびに、頭の中で、小さな花が、ポンッ、ポンッ、って気持ちよく開いていくんですよ。大変な作業ではありますが、これがなかなか快感だったりもして(笑)。それにこういうことしてると、結果的に耳のトレーニングにもなりますし、まぁ一石二鳥なんですよね。

というわけで、ここ数日のそんな作業のおかげで、右手がエンピツの形になっていますよ(笑)。まだ、少し残ってるんですけどね。

写真は、マクロレンズで撮ったものなんですが、この写真からでは、これが何の花だかは残念ながら調べてもわかりませんでした(笑)。一輪ずつは、多分皆さんの小指の爪ほどの大きさではないでしょうか。何だろなー、「ノリウツギ」ってのが、蕾の形としては近かったんですけどねー。どうも確証が持てずでして。他にもあれこれ考えてみたんですけど、・・・やっぱりわっからないんですよねー。

これも判ると、頭の中の花がポンッって、また一つ開くのになー(笑)。

ではー。

---追記。---

これは「しもつけ」ではないか、という情報を頂戴しました。早速ネットで写真を探し、思い出と照らし合わせてみました。

僕の写真が情報量が少なすぎる写真なだけに、確実に100%とは言えませんのですが、開花時期の合致や、撮ったときの全体の様子を油汗をたらしながら思い出すに、かなりの高確率で、確かにこの「しもつけ(下野)」というお花ではないかと思われます。栃木(下野国)で最初に発見された、薔薇科のお花なんだそうですよ。いやはや、ありがとうございます。

・・・ポンッ(笑)。

ではー。



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