今日は、河合楽器の技術者の方に緑ちゃん倶楽部のスタジオ「スペース緑」に来て頂きまして、
いつも、レッスンで使用しております、僕の大好きなデジタルピアノ、MP9500の調整をして頂きました。
鍵盤の一番奥にあるテフロン素材を塗ったをゴム製の部品が、経年劣化を致しまして、
鍵盤が下りるのが、固くなってしまったのです。
見て頂いたところ、あと数か所、「もしかしたら近々ここも・・・」という劣化が見られるところがみつかりまして、
危ない鍵盤だけ交換しますか?それとも、全交換してしまいますか?ということになりまして、
やはり、この際ですので、全ての鍵盤の部品を新品に交換して頂くことにしたのです。
この部品の交換は初めてですので、つまり、新品状態から現在まで持っていたのですから、
この先、同様の使い方をしていても、少なくとも、10数年は、この部品の交換の必要が無くなりました。
やっぱり、「あ、またか・・・」なんて思わずに、長く、安心して使いたいですものね。
今、MP9500をはじめ、カワイのデジタルピアノの修理ができる方は、全国で12人しかいないのだそうです。
最新の機種だけとなかなら、若い方でもできるそうですが、長く使われてきた楽器が壊れた場合は、やはり対応ができないのだそうで、
昔からの技術者の方は、正直、やめることができないのだそうです。
経験が、一番ものをいう世界。後継者問題は、切実ですよね。
ほかにも、作業の合間に、色々とお話を伺いました。
何よりも嬉しかったのが、
「結局、このMP9500とMP9000が良く出来過ぎていまして」
というお言葉でした。
この後にも、多くの後継機種が出ておりますし、カタログ上のデータとしてや、鍵盤の機構の改良などで、グレードは上がっているのですが、
やはり、音楽的であること、バランスが良く、弾き手が「気持ちいい」と思って弾き続けているピアノとしては、
カワイでは、圧倒的に、MP9500とMP9000、なのだそうです。
技術者の方の判断基準は、販売実績ではないそうで(どの機種が何台、出荷された、などはご存じないそうです)、一点、
「修理の依頼があるか、どうか」
なのだそうです。
修理の依頼が無い、ということは、その機種は本当に壊れないか、あるいは弾かれていない(≒売れていない)、ということになるのだそうです。
たしかに。
その点、MP9500、MP9000の二機種は、修理依頼が後を絶たないそうで、
これは、壊れやすいということではなくて、
また、「やっぱり、これでないと」という、ユーザーが多いから、なのだそうです。
ある横浜方面に在住のユーザーさんのMP9500は、鍵盤の表面がえぐれてしまっていたそうです。
いったいどれだけ弾いたら、そんなにまでなるのか、想像もつかないですが、
それだけ、ながく、弾き続けられるということですよね。
デジタルピアノではありますが、木製鍵盤であることは、大きいです。
やっぱり、手が疲れにくいですし、飽きが来ません。
といっても、勿論、これは、本物のアコースティックピアノには敵わないのですが、
しかし、アコースティックピアノは調律が一定期間で狂います。これは仕方のないところです。
正直なところ、ぴったり合わせた直後でも、数時間、ガンガン弾きまくったら、もう狂いはじめます。
コードの響きを学び、和音感覚を習得して頂くという、緑ちゃん倶楽部のレッスンにおいては、
和音や、テンションの響きが、常に明確に聞き分けられるデジタルピアノの方が、・・・実は向いているともいえるのです。
MP9000の方が先に発売されているので、兄貴分でしょうか。
こちらは、今も毎月の椎名へきるちゃんのライブはじめ、色々なライブで持ち歩いて使っています。
後発のMP9500、いわば、出来の良い弟は、鍵盤部分が少し改良されていて、低音部は重く、高音部は軽やかなタッチとなりました。
鍵盤がしっかりしている分、MP9000よりも練習にも向いています。
音色は、基本的に同じですが、MP9500の方が、少しふくよかです。
僕の自宅の仕事場のメイン楽器として、そしてスペース緑で、日々、大活躍してもらっております。
なんといっても、低音の重厚感と、バランスのよい中音部、高温の美しさ。
全音域において、嫌なところも、スキもない完璧なバランス。
そして、世界中から絶賛された、絶妙のタッチ。
この機種の価値の半分はこの、「AWAグランド鍵盤スーパー」だ、という人は、実際に多いです。
ほめ過ぎでしょうか(笑)。
僕は、二台ずつ持っておりますが、今日のお話を伺って、
・・・もう一台ずつくらい、手に入れておいた方がよいかも・・・
と、本気で思ってしまいましたよ。
もしかしてもしかしたら、やっぱり一生、弾き続けるピアノになるかもしれませんものね。
本日のメンテナンスで、全鍵盤、新品状態に戻りました。
鍵盤の高さ合わせもしっかりやって頂き、
普段は行きとどかない中も、隅々まで掃除もして頂きました。
明日からまた、気持ちよく、20年近く、カワイのデジタルピアノ人気No.1を保っているタッチと音色で、気持ちよく鳴ってくれることでしょう。
(個人的には、カワイのみならず、世界中の全デジタルピアノの中で、No.1です)
MP9000 参考動画。このようなJAZZYな響きにもばっちり合います。かっこよいですね。
https://youtu.be/n6Y3EkRFwNc
MP500 参考動画。全てアドリブで弾いているのだそうです。ちょっとリバーブ(残響)が深いですが。
https://youtu.be/4_sU8kje-2w
皆様、新品同様になった、スペース緑のMP9500、是非、弾き心地を確かめにいらして下さいね!
ではー。