く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)> 国内に唯一自生するタイム類

2018年06月11日 | 花の四季

【強い芳香から「百里香」の別名も】

 シソ科イブキジャコウソウ属(ティムス属)の小低木で、北海道、本州、九州の日当たりのいい山地などに自生する。とりわけ石灰岩や蛇紋岩などの岩場を好むことから「イワジャコウソウ」とも呼ばれる。匍匐(ほふく)性の植物で、茎が地面を這うように伸びて群落をつくる。高さは5~15cmほど。6~8月頃、枝先に淡紅色の小花を付ける。筒状の花の先が上下に分かれたシソ科に多い唇形花で、花冠から雄しべが突き出す。

 名前は滋賀県の最高峰、伊吹山(1377m)に多く見られることと、「百里香(ひゃくりこう)」の別名があるほど強い芳香を放つことから。伊吹山は日本百名山の一つで高山植物の宝庫といわれ、伊吹山のイブキジャコウソウは『新・花の百名山』(田中澄江著)でも取り上げられている。学名「Thymus(ティムス)」はハーブのタイムの語源。世界には数多くのタイム類が分布するが、国内に自生するタイムの仲間はこのイブキジャコウソウだけ。日本以外では朝鮮半島や中国、ヒマラヤ地方などにも分布する。

 地域によって花色の濃淡などにはかなりの変異がある。白花のものは「シロバナイブキジャコウソウ」、海浜に自生するものは「ハマジャコウソウ」と呼ばれる。よく似た匍匐性のタイムにはヨーロッパを中心に分布する「クリーピングタイム」(ワイルドタイムとも)がある。この和名は「ヨウシュ(洋種)イブキジャコウソウ」。一方、日本で一般にタイムと呼ばれハーブとして肉・魚料理などによく使われるのは南欧原産の「コモンタイム」。茎が高く伸びる立ち性タイプで、和名では「タチジャコウソウ」と呼ばれている。

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