【南米原産、「インカのユリ」の別名も】
ヒガンバナ科アルストロメリア属(ユリズイセン属)の多年草で、南米のペルーやチリ、ブラジル、アルゼンチンなどに100種ほどが自生する。アンデス山脈の冷涼地に多く、欧米では「インカのユリ」とも呼ばれる。それらの原種をもとにオランダなどヨーロッパで品種改良が進められた。カラフルなうえ花もちもいいことから、鉢植えや庭植えのほかブーケやフラワーアレンジなど切り花としての人気も高い。(写真の品種名は㊤インディアンサマー、㊦サマースノー)
アルストロメリアは〝植物分類学の父〟カール・フォン・リンネ(1707~1778)が南米旅行中の1753年に発見したといわれる。そのリンネが友人の植物学者クラース・アルストメーア(1736~1794)の名前に因んで命名した。花の最盛期は5~7月頃だが、四季咲きの場合は春から晩秋まで楽しめる。花弁の内側に条斑(じょうはん)と呼ばれる筋模様が入ることと、葉が捩れることが多いのが大きな特徴。条斑は昆虫に蜜の在りかを知らせる役割を果たしているといわれる。ただ条斑がない品種も作り出されて〝スポットレス〟タイプとして出回っている。
日本は切り花生産量でオランダに次いで世界第2位。2016年の全国生産量は5520万本で、都道府県別ではトップの長野県が全体のほぼ3分の1を占める(2位愛知県、3位北海道)。1998年の長野冬季五輪では〝ビクトリーブーケ〟としてアルストロメリアの花束がメダリストに贈られた。国内最大の産地を抱える伊那市は今年3月、友好提携都市東京都新宿区の全区立小中学校の卒業生(39校約2700人)一人ひとりに祝福のメッセージを添えて花束を贈った。「♪夢咲く夢子の夢百合草が あるすとろめりあ あるすとろめりあ そっと明日を置きに来る」=さだまさしさんの『夢百合草(あるすとろめりあ)』