【水軍太鼓が鳴り響く中、勇壮に練りや差し上げ】
愛媛県内の神輿や太鼓台など秋祭りの主役が集結する「大神輿総練(おおみこしそうねり)」が8日、松山市堀之内の城山公園で開かれた。9回目の今年は松山神輿17基に加え新居浜市の太鼓台、宇和島市の牛鬼などが参加。松山水軍太鼓が鳴り響く中、3時間余にわたって勇壮な練りや差し上げ、神輿同士がぶつかり合う鉢合わせなどが次々に披露された。
出場した松山神輿17基の内訳は「まどんな神輿」「紅媛(くれない)神輿」などおんな神輿6基、「湯之町大神輿」「大唐人(おおとうじん)神輿」など八町会の神輿8基、そして「おみこっさん」として親しまれている古町の「千木(ちぎ)神輿」「四角神輿」「八角神輿」の3基。新居浜からは「口屋太鼓台」、宇和島からは「丸穂牛鬼保存会」が参加した。
神輿や太鼓台などの入場に先駆け、オープニングとして「大洲藩鉄砲隊」による火縄銃の演武や、今治の「九王獅子連」による〝継ぎ獅子〟などが披露された。この継ぎ獅子は人の上に人が何段も乗るもので、春の大祭では海上に浮かべた船を舞台に演じることで有名という。この日は〝四継ぎ〟と呼ばれる4段の継ぎ獅子を完成させ、観客から割れんばかりの拍手が送られていた。
松山東雲中学・高校吹奏楽部によるマーチングバンドや「山鳥坂鎮縄神楽(やまとさかしめかぐら)保存会」による「大蛇(おろち)退治の舞」などもあった。そしていよいよ神輿や太鼓台、牛鬼のパフォーマンス。太鼓台の見どころは豪華絢爛な飾りと差し上げ。重さ約2.5トンもある太鼓台をかき夫100人余が力を合わせ頭上に高く持ち上げる。台上前面中央に中村時広知事が乗り込み、かき夫を鼓舞する場面も見られた。
このイベントを勇壮な太鼓の響きで終始盛り上げていたのが「伊豫之國松山水軍太鼓保存会」のメンバーたち。水軍太鼓は40年前の1979年に松山市制90年を記念し創作された郷土芸能で、今では演奏曲目が15曲に上るという。旧市内の全小中学校にも太鼓を配置しているそうだ。この日も法被姿の小さな男の子が太鼓を打ち鳴らしていた。そのバチさばきの見事なこと! 息の合った太鼓や笛の演奏を、身動きせずにじっと見つめる外国人女性の姿も印象的だった。