く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ゲッカビジン(月下美人)> 一夜限りの妖艶な花

2019年09月17日 | 花の四季

【純白の大輪と芳香で〝送粉者〟のコウモリを誘引!】

 メキシコ~ブラジルの熱帯雨林地帯に自生するサボテン科クジャクサボテン属の多肉植物。日本には大正時代の末期に渡来したといわれる。着生サボテンの仲間で、原産地では老木の幹などに根を張るが、日本では行灯仕立ての鉢植えで栽培されることが多い。花期は6~10月ごろ。開花時期が近づくと下向きだった蕾が次第に上向きとなって急激に膨らむ。そして開花当日、日が落ちてから咲き始めて夜9時ごろ満開となり、翌朝には萎んでしまう。

 純白の花びらが折り重なった花は直径が20cmほどもある。中心部から怪しげな形状の雌しべが突き出し、その根元を絹糸状の無数の雄しべが囲む。開花と同時に甘い香りを遠くまで放つのも特徴の一つ。花の寿命は短いが、複数の蕾が付けば咲く日がずれ、また生育条件が良ければ年に数回咲く。自生地のジャングルでは小型のコウモリがゲッカビジンの受粉を媒介する〝送粉者〟の役目を果たす。そのコウモリは花の蜜や木の実を餌とする「果実コウモリ」。暗い夜に目立つ純白の大輪の花を開き強い香りを放つのも、その夜行性のコウモリを誘うためといわれる。

 優美な名前の由来は昭和天皇が皇太子時代に台湾を訪問した1923年まで遡る。当時の台湾総督、田健治郎氏(1855~1930)は皇太子からこの美しい花の名を問われとっさに「月下の美人です」と答えた。以来、月下美人という和名が日本で定着したそうだ。近縁種や園芸品種に小型で多花性の「姫月下美人」、月下美人と姫月下美人の交配種「満月美人」、ドラゴンフルーツに似た赤い果実を付ける「食用月下美人」などがある。「人待つごと月下美人に正座かな」(野辺祥子)

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【月下美人またまた開花!】

 今年これでなんと4回目。前回は蕾が5つ付き9月12~18日の間に日を置いて1~2個ずつ咲き長く楽しませてくれた。その後蕾がまた5つ。そして今回はうち4つが昨晩(10月11日)同時に開花した。甘い香りを放ちながら夜8時前には全開に。残り1つも蕾が大きく膨らんできており今晩には咲きそうだ。(10月12日記)

 

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