く~にゃん雑記帳

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<栗林公園> 降り蹲踞(つくばい)が小川の中に!

2019年09月24日 | 旅・想い出写真館

【石組みや置き石にも深い味わい】

 江戸時代に造られた大名庭園、栗林公園(高松市)は紫雲山を背景に6つの池と13の築山を配した池泉回遊式庭園。約75ヘクタールもの広さがあり、全国36カ所の特別名勝の中でも最大の面積を誇る。「箱松」「屏風松」「お手植え松」など手入れの行き届いた個性的な松の木々が人気を集めているが、巧みに配された石組みや置き石も味わい深い。明治43年(1910年)の高等小学読本に「木石ノ雅趣…三公園(兼六園・後楽園・偕楽園)ニ優レリ」。その雅趣をもう一度満喫しようと3年ぶりに栗林公園を訪ねた。

 石州流の茶室「日暮亭」そばの小川の中に風流な〝降り蹲踞(おりつくばい)〟がある。高松藩5代藩主松平頼恭(1711~71)の頃、この小川に沿って「戞玉亭(かつぎょくてい)」という茶室があった。茶室はその後移築されたが、この降り蹲踞は当時使われていたという貴重な遺構だ。小川の中に右側から前石、手燭石、湯桶石、手水鉢が並ぶ。その手前にある円形の井筒は南側にある涵翠池から送られた水が湧き上がる仕掛けになっている。

 

 栗林公園の置き石として有名なのが「見返り獅子」と「ぼたん石」。いずれも自然石で、獅子が振り返った姿やボタンの花に似ていることから名付けられた。江戸時代には大名が築庭する際、各藩の藩主が名木や奇石などを贈り合う習慣があったそうだ。園内にも薩摩藩主の島津公から贈られたという朝鮮半島産の「鶏林石」があるが、この2つの置き石もさる大名からの贈り物なのだろうか。

 

 南湖の中に「仙磯(せんぎ)」と名付けられた岩組みが浮かぶ。仙人が住むという中国の伝説の理想郷を表したもので「蓬莱島」とも呼ばれている。「小普陀(しょうふだ)」は100個余りの石組みの小高い築山。園内の石組みの中では最も古いもので、栗林公園が始まった場所ともいわれる。小普陀の名は中国の霊場普陀山に因む。西湖の西側には「石壁(赤壁)」と呼ばれる自然の高い岸壁がそそり立つ。流れ落ちる滝は人工的に造られた「桶樋滝(おけどいたき)」。かつては背後の紫雲山の中腹に置かれた桶まで人力で水を汲み上げていたという。今は西湖の水をポンプアップして流しているそうだ。

 

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