【立体イラスト・工作作品の展示も】
奈良県立図書情報館(奈良市大安寺西)で8月1日「千光士(せんこうじ)義和 ダンボールアートの世界」展が始まった。千光士さんは1958年高知市生まれで、現在は奈良市在住。フリーのアニメーション作家・からくりダンボール作家として活動し、国内はもとより韓国や台湾など海外でも作品展や工作教室を開いてきた。2021年には奈良市美術館で「動くダンボールアート創作活動35周年展」を開催。現在、母校大阪芸術大学の客員教授、嵯峨美術短期大学講師などを務める。
会場の図書情報館2階エントランスホールで、まず目を引くのが遊園地の遊具のような「回転!空中ひこう機」。かわいいロボットが乗った飛行機4機がぐるぐる回っていた。その足元近くには長さが2m以上ありそうな「黄金のSL」。金色に輝く蒸気機関車はどう見ても金属製のようで、とてもダンボール製とは思えない質感だった。
千光士さんの著書に『かんたん手づくり動くダンボールおもちゃ』『ワクワクドキドキ紙おもちゃ』『紙バネ・紙ゼンマイでびっくりおもちゃ』(いずれもPHP研究所刊)などがある。このうち人気の『紙バネ・紙ゼンマイで…』は発行部数がこれまでに13万部に上っているそうだ。会場の一角に、これらの工作本に写真を掲載した実物の作品を一堂に集めた場所があった。
「うごくダンボール絵本シリーズ」というコーナーも。そこには「おむすびころりん」や「おかえり桃太郎」などの日本民話に加え、グリム童話の「オオカミと7匹の子ヤギ」「ブレーメンの音楽隊」などをもとにした作品が並ぶ。立体的なうえ画面上で動く作品がちびっ子たちの人気を集めそうだ。
千光士さんが毎年表紙を担当してきた「フレッシュセミナー」(新学社刊)などの「教科書テキスト表紙作品」も展示中。ほかに「サークルアート・コレクション」「ダンボールランマ作品」「コリドー(回廊)シリーズ」などの作品も並んでいる。
展示会は8月20日まで。会期終盤の19日には千光士さんが「発想は無限(私の発想法!原点はアニメ・まんが)」と題して語るトークイベントがある。19~20日には「『うごくハコロボとミニロボ』を作ろう!」というワークショップも(いずれも要申し込み・先着順)。千光士さんの「動くダンボール絵本」は奈良県コンベンションセンター(奈良市三条大路1)で8月11~12日開催の「第23回えほん展なら」でも特別展示される。