【全草有毒、黒紫色の実を房状に】
北米原産のヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草。日本に渡ってきたのは明治初期といわれ、今では帰化植物として全国に広がり、道端や空き地、公園の植え込みなどでもよく見かける。古くから人里に近い山野に自生するヤマゴボウの仲間で、海外から渡来したことからその名がついた。別名「アメリカヤマゴボウ」。
根は細長く食用のゴボウ(キク科ゴボウ属)に似るが、分類上は全く無縁。夏から秋にかけて赤色を帯びた茎の先の総状花序に白い小花をたくさん付け、花後に果実が緑色から黒紫色になって垂れ下がる。草丈は1~2m。学名「Phytolacca americana(フィトラッカ・アメリカーナ)」。属名は「植物」と「紅色の」の合成語、種小名は「アメリカの」を意味する。
フラワーアレンジメントの花材として使われ、熟した実が草木染に用いられることも。ただ有毒植物のため取り扱いは要注意。誤食すると嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こす。モリアザミ(キク科アザミ属)などの根や加工品が「山ごぼう」として市販されていることもあって、ヨウシュヤマゴボウの根も食べられると勘違いする人がいるようだ。子どもが実をブルーベリーと間違って口にするといったケースも報告されている。