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出会いの春 「学校くるまで3年も待ってんで」~子どもたちのまなざし 23

2009年04月09日 | 土佐いく子の教育つれづれ

■待ち望んだ入学の日

「せんせい、ぼくね、がっこうにくるまで三ねんもまってんで」(宇土学級)
「せんせいのなまえわすれへんように、まいにちねるとき『とさ先生、とさ先生、とさ先生』って三かいいうてねるの」
 学校に入学する日を指折り数えて待ってくれていたという一年生。恋人のように私の名前を三回も呼びながら眠りにつくという一年生。
 こんな子どもたちに、なんだ学校ってつまらないなあ、先生なんて大嫌いと思わせるわけにはいきません。心を引きしめ、出会いを待っていた新学期です。

■一生懸命な心を綴る
 どの子もかしこくなりたい、友だちと仲良くしたい、ぼくのこと大切にしてねという願いがまっすぐ伝わってくる新学期が始まりました。

  ◇  ◆  ◇

ぼくは、カメンライダーブラックみたいにつよくなりたいです。
犬もこわくないようになりたいです。
それで、みんなとなかよしになりたいです。
それで、けんかもしたくないです。
それで、人のわる口をいいたくないです。
それで、かしこくしたいです。
それで、かしこくべんきょうしたいです。

  ◇  ◆  ◇

 給食費が持って来れなくて「先生休職たべてもええか」と言いにくる二年生のよしくんの日記です。「字覚えられへん」と泣いていたよしくんですが、二年生になったら「かしこくべんきょうしたいです」「先生がんばるからね」と一生懸命な心を届けてくれました。

■暮らしを綴る
 今日、子どもを取り巻く暮らしはきびしく、社会の歪みが教室を直撃しています。
 「おとなになったらはたらけるしごとがありますように」と二年生が七夕のお願いごとに書く時代なのです。

  ◇  ◆  ◇

 前の日よう日、夜の10時ぐらいになったら赤ちゃんが泣いてこまった。それでミルクの作り方がわからんかったらだっこをして、一時間かかってやっとねた。
 けど、つかれてふとんに入ったら、また泣きそうになって、トントンしてやった。しんどかったです。
 
  ◇  ◆  ◇

 10時になっても仕事から帰らぬ両親を待ちながら、三年生の子が八ヶ月の弟の面倒をみている暮らしがここにあります。
 「一人で弟の世話ようがんばったなあ。えらかったよ。まあちゃん、しんどかったね」と思わず抱いてやりたいです。
 そして、こんな日記を教室で読むと、友だちがまあちゃんの暮らしを知って共感してくれるのです。
 師走の頃、よくケンカをするまあちゃんを見て、友だちが言うのです。
 「お歳暮でおばちゃん忙しいから、まあちゃん淋しいんやで。ほんでストレス解消にケンカしてるんや」。友だちの笑顔に支えられて、今日も元気に学校に来ています。(とさ・いくこ 中泉尾小学校教育専門員・大阪大学講師)

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【ジェンダー・セクシュアリティに関する原稿募集のお知らせ】

日本機関紙出版センターでは以下の内容で出版原稿を募集します。ふるってご応募ください。

1.募集テーマ ジェンダーやセクシュアリティの視点から、日常生活の「性と生」をリアルに表現し、さまざまな人たちが多様で自立した生活が送れるために必要なことは何かを考えるもの。

2.字数数 1200字前後

3.選考 編集部および編集代表(杉山貴士、大橋明日香)が選考します

4.締切 2009年5月末

5.謝礼 刊行書籍を贈呈

6.応募方法のお問い合わせ先

  日本機関紙出版センター 担当:丸尾忠義
  TEL:06-6465-1254 FAX:065-6465-1255
  〒553-0006大阪市福島区吉野3-2-35
  E-Mail hon@nike.eonet.ne.jp
    http://blog.goo.ne.jp/kikanshi-hon

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