久しぶりにタイ料理を作って、思いは遠い昔タイを放浪した頃にタイムスリップしてしまいました。サテイとカレーのレシピは、二度目にタイに行った時に現地で買った英語の料理本からです。当時住んでいたニューヨークから地球半周旅行の途中、一緒に旅をしていた友人が急に日本に帰国しないといけなくなり、シンガポールで別れたのでした。そこから先は一人旅。マレー半島を縦断し、タイに移り住んでいたアメリカ人の友人宅を拠点に、北部の山岳民族の村に象に乗って行ったり、当時のビルマにも政府監視下の1週間制限入国したのでした。あ~若かったな~。。あの頃は恐いものなんてなんにもなかったよ。
- サテイ (タイ風焼き鳥)
- ヤムウンセン (春雨サラダ)
- グリーンカレー&ジャスミンライス
- 黒ゴマのココナッツプリン
辛味、酸味、甘味が混じり合ったタイ料理は、はまってしまうと私のようにその虜になってしまいます。訪れた土地の風土と匂い、味、色というものは実に見事に記憶の中でドッキングするもので、20何年も前、ひどい排気ガスと土埃の中、屋台からの匂いや色に惹きつけられながら歩き回った美しいアジアの国がくっきりと蘇ります。
ナンプラー(魚醤)、ココナッツミルク、カレーペースト、バジル、カフィアライムリーフ(こぶみかんの葉)、パクチー(香菜)などなど、タイ料理によく使われる調味料も、日本で簡単に手に入ります。移民の多いアメリカでは、タイ料理のレストランは日本以上に市民権を持っており、その中でもシアトルにはインドシナからの移民が特に多いため、実は中華料理店よりもインドシナの国々の料理店の方が多いのです。中華料理はあまり美味しいお店はなかったけれど、ベトナムやタイ料理で美味しい所は数えられないぐらいありました。
タイではサテイには鶏だけでなく豚、牛も使いますが、豚を食べない近隣のイスラム国マレーシアやインドネシアなどでは、サテイというと鶏肉です。この日は鶏のモモ肉と豚肩ロースの二種類のサテイを作ってみました。結果、鶏の方が柔らかくておいしい、というご意見多数でした。肉はココナッツミルクやカレー粉でマリネしてありますが、付け合わせとして必ずピーナッツソースときゅうりと赤ネギの甘酢和えが添えられます。赤ネギは大根もちの時に紹介しましたが、南京町でタイ産のものが買えます。ココナッツミルク、ピーナッツバターやレッドカレーの入ったソースは、結構病みつきになる味ですよね。これは冷凍しておけるので、多めに作っておいて、肉も前日にマリネしておくなり冷凍しておけば、これからのバーベキューシーズン、受けること間違いなし。残念ながらオーブンで焼くしかなかったので水分が出てしまいましたが、炭火で焼くととっても美味しいですよ。
ライムやレモン汁にナムプラーや唐辛子の入った春雨サラダのヤムウンセンの酸味は、他の国の春雨サラダと全く違う一品です。豚ミンチや海老を加えましたが、同じ鍋できくらげ、春雨とともに湯がいていいなんて、常識を覆したすばらしい料理法ですよね。パクチーが苦手な方が何人かいらっしゃったので、かわりにバジルの葉を千切りにして上に飾りました。
旬のタケノコを使いたくて、カレーはタケノコによく合うグリーンカレーにしました。タイカレーは煮込むものではなく、炒め煮です。肉も野菜もぐったりなるまで煮込みません。そのためか、タイではカレー用のチキンは胸肉を使います。ポイントは、肉が固くならないようそぎ切りにすることです。この日は、その他になすび、赤いパプリカ、緑のピーマン、しめじ、そして最後にたくさんのバジルの葉を加えて彩よく仕上げました。そして、あっという間に普通の鍋で炊けるジャスミンライスを添えました。タイ米というとまずいイメージをお持ちかもしれませんが、ピンキリです。インディカ米の中でも最高級のこのお米は、炊き上がった時の香りが良いことからジャスミンライス、と呼ばれています。吸水がめちゃくちゃ早いので、浸さずにお湯でさっと短時間で炊き上げて下さいね。でないと、べたついておお団子状になっちゃいますよ。
デザートを作る時間があまりないので、毎回ゼリーやプリン系にどうしてもなってしまって申し訳ないな~といつも思っているのですが、黒ゴマペーストとココナッツクリームを使ったこのプリン、皆さん気に入って下さってほっとしました。ところで、ココナッツミルクとココナッツクリームの違いは?クリームの方が濃厚で、脂肪分が多いので、料理によって使い分ければいいと思います。このプリンも、1/3量は牛乳にしました。
さまざまな思い出に浸ってしまい、今回のブログはなかなか筆が進まず、こんなに遅くなってしまいました。あ~旅の虫がうずうずしてきたよ~!