中華料理、久しぶりですね。カレンダーをめくってみたら、7月以来でした。
- 海老と唐辛子炒め
- 秋茄子のバジル炒め
- 里芋と鶏肉の煮込み
- あんかけ汁ビーフン
- 檸檬(レモン)豆腐
台湾の親戚が新竹ビーフンをたくさん持って来てくれたので、そういえば教室では焼きビーフンしかまだ作ってなかったなと思い、汁ビーフンを作ることにしました。前にも書いたと思いますが、台北の南西に位置する「新竹シンチク」は冬の季節風が強く吹くため、その風を利用して作る米粉ビーフンの産地として有名です。今回もらった何種類かのブランドは全部「細」という字が書いてあって、今までのビーフンよりずっと細いものでした。これが今台湾では流行っているのかしら。さて、ビーフンは湯がくのではなく、熱湯に1分ほどつけてからザルに上げればもう食べれます。意外な早さで戻る、ってことですね。
とろみをつけたあんかけスープをかけたり、それを卵とじにしたり、っていう台湾の家庭でよく食べられているスタイルの汁ビーフンを今回は紹介することにしました。材料はなんでも良いのだけれど、高価な干し貝柱の代わりに貝柱の缶詰を使うっていう手があります。これだと缶詰の汁が椎茸の戻し汁とともにスープの旨さをアップできるし、便利ですよ。今回は五目あんかけにしました。豚肉、椎茸、人参、玉ねぎ、たけのこ、キャベツ、ニラ、そして貝柱の缶詰。細麺のビーフン、あっさりしててみんなあっという間に平らげちゃいましたね。
四川料理で「宮保コンバオ~」がつく料理は、唐辛子(タカノツメ)で炒めた辛いものを指します。昔四川省の役人だった丁宮保という人が、唐辛子を油の中に入れて炒め、辛味を油に移して鶏肉を炒めたのが初まりだそうです。今回はその海老版、宮保明蝦コンバオミンシャーです。下味をつけた海老は一度油で揚げてから、白ネギとピーマンとともに炒めました。紹興酒が旨味をアップして、お酒のあてにぴったり、もちろん白いごはんにもぴったりの海老料理です。その辺の中華料理店よりずっと美味しくできたと思ったなぁ。
異常気象で野菜が高騰している中、野菜料理を考えるのにも苦労します。モヤシばかりってわけにもいかないから、秋茄子を使ってもう一品台湾の家庭料理を作ることにしました。台湾バジルは葉が何層もある塔のようなので「九層塔」と言います。台湾産は手に入らないのでもちろん普通のバジルを使いましたが、青じそでもOKです。茄子はまず油で揚げておいてから、ニンニクとともに炒め、醤油、砂糖、こしょうで味付けし、仕上げに大量のバジルを放りこみ、黒酢をまわす、という簡単なもの。でも、黒酢とバジルの香りが口一杯に広がって、中華料理にもこんな味がありか~って思われたかもね。冷蔵庫で冷やしても美味しいので、夏の茄子料理に加えてくださいね。時間が経つとバジルの色が汚くなるのが玉に瑕だけど。
今回は全て最初に油で揚げる料理ばかりになってしまい、ダイエット中のみんなには申し訳ない。里芋と鶏肉の煮込みも、里芋と下味をつけた鶏肉をまず油で揚げます。こうすると煮崩れを防げるのと旨味を閉じ込めることができます。あとは叩いたネギ、生姜とともに醤油、酒、砂糖と水で20分ほど煮込みます。里芋も鶏肉もものすごく柔らかくなってましたね。あ~でもごめんなさい、最後にごま油を落として香りを出すの、忘れてました~。。
デザートは檸檬豆腐。杏仁豆腐のような寒天ゼリーをレモン汁と卵黄で作りました。この日使った卵黄はものすごいビタミン色の黄色でしたね。世界中で生玉子を食べるのは日本人だけだって知ってましたか?それだからか、サルモネラ菌なしの卵を作る技術が日本では他国より発達しているそうです。外国より日本の方が美味しい食べ物の筆頭に私がいつも挙げるのが卵と牛乳。驚きでしょ。それに日本では卵はすごく安くいし。アメリカですき焼き用に卵を買う時は、日本食料品店でイセファームの生食OKというのを買うしか方法がなかったな。実はイセファームは日系人がやってるアメリカベースの会社だとずっと思っていて、とんでもない、日本最大手の鶏卵会社だということを知ったのは最近です。さて、この日作った檸檬豆腐は味は悪くなかったけれどなぜかうまく固まらなくて、(観察していなかったのでどういう化学反応が起こったのか分らずじまいですみません~)ついでに写真も撮れてなくて、とほほ、と思っていたら、なんてラッキーなの。家の冷蔵庫に、試作品が残っていました。そこでこの写真。本来の出来上がりはこのように杏仁豆腐もどきになります。中国では食後のデザートには伝統的に果物を食べるので、デザートの種類が他の国に比べるとぐんと少ない。だから毎回キッチン・マーレの中華デザートのレシピ考えるの、本当に困るんだよね。
寒暖の差が激しくて体調を崩した人が数名、この日は朝から欠席のメールが入りはじめる。急用で早く帰る人が2名、1時間遅れてくる人もいて、一体何人いるのか分らないとても不思議なキッチンでした。人数が少ない分みんなの労働量が増えてため息が聞こえていたのに、なぜかいつもよりも1時間以上も早く終了できたという不思議な日でした。やればできるってこと?いえ、人数が多いとおしゃべりが多くて手が止まってるってことだと分りました。