気候が良くなって昼休みの公園は屋外でランチを楽しむ人がたくさん、って思っていたら急に真夏日続きで外に出れないほど暑くなってしまいました。一体どうなってるんでしょう。京都は今日35℃だったそうです。
タパスを教えてほしい、ってリクエストがあったので、メインを魚介パエリヤにして、簡単でおいしいタパスを四品、そしてデザートはレモンのプディング。初夏の爽やかメニューを考えました。
5月21日神戸教室、22日の豊中教室メニュー:
- 生ハムとオレンジのサラダ
- タコのガリシア風
- きのこのアヒージョ
- トルティーヤ、スペイン風オムレツ
- 魚介のパエリヤ
- レモンのプディング
オレンジは皮をゼスターでリボン状にむいて香りづけと飾りの両方に使い、オレンジの実と果汁はグリーンオリーブと玉ねぎのみじん切りとともにドレッシングとして使い、生ハムの上にのせました。今回はグリーンとともにサラダにしましたが、カナッペのトッピングとしてメルバ?トーストの上にのせても彩りもきれいで映えますよ。
ガリシア州はスペインの北西端、ポルトガルに接し、大西洋に面したエリアです。州都のサンティアゴ?デ?コンポステーラはキリスト教の聖地の一つで、ヨーロッパ各地から巡礼者は、バスクを通過して荒野を徒歩や自転車で何週間もかけてここを目指す、ってことは以前バスクに行った時に知った。聖地の方向を示した道路標識もよく見かけたっけ。
で、この辺りの伝統料理の一つがpulpo gallego。本来はゆでたジャガイモをスライスし、その上に柔らかくゆでたタコの薄切りをのせてパプリカをかけたものです。でもロンドンのタパスレストランの多くは、ジャガイモもタコもぶつ切りにして炒めてパプリカと塩で味付けしたものを出す所が多く、こちらの方が私は美味しいと思うのでこちらを紹介しました。日本でパプリカ?スパイスといったら一種類しか手に入らないのだけど、本場では甘口や辛口があり、これらを混ぜて使います。ちょうどハンガリー土産に甘口スモーク?パプリカをもらっていたので、今回はこれを使いました(なぜか日本語で甘口と書いてある)。刺激はなく、香りが勝ち美味しくできましたね。辛くしたい時はカイエンペッパーを使うといいですよ。そうそうごめんなさい、レシピはガルシアになっていました。
最近タパスを出す店が日本でも増えてきて、やったらアヒージョやスペイン風オムレツに遭遇します。アヒージョとはニンニク風味、という意味。たっぷりのオリーブオイルに弱火でゆっくりとニンニクと唐辛子の味をつけます。具材は海老、イカ、タコ、牡蠣、きのこ、となんでもあり。私が30年前に初めてアヒージョを口にした時は、具材は正統派、うなぎの稚魚でした。炒めるのではなく、ぬる~いお風呂にゆっくりと入れてあげてるって感じで作ってください。余ったオイルはパンにつけたり、パスタに使ったりもできますよ。今回はエリンギ、しめじ、椎茸を使いましたが、もちろんどんなキノコでもOK。写真上、豊中教室ではパセリのみじん切りを最後に加えるの、忘れてたね~。
トルティーヤっていうと春巻きのように巻いて食べるメキシコ料理の皮でもあるのですが、元々はスペインのオムレツのことです。プレーンのものはジャガイモと玉ねぎが入ります。このトルティーヤの味の決め手は飴色玉ねぎ。どれだけ飴色にしたかで、オムレツの甘味が全く違ってきます。しかし、今出回っているのは水分の多い新玉ねぎ!水分がどんどんと出てくるのでなかなか飴色になんてなってくれない。前日に2時間近くかけて仕込んでおいたのだけど、やっとできたと思ったら想像以上に量が激減していて、あ~あ。またまた作り足しましたが、結局直径20cmの小さなフライパン用に卵6個、なのに玉ねぎ大3個半も使ったかな~。スライスしたものを一度冷凍すると玉ねぎの細胞壁が破壊されて短時間で飴色になるので、時間がある時はお試しください。
そして底の分厚いフライパンに卵を流し込み、時々ゆらしながらじっくりと弱火で20分ぐらいかけて焼きます。今は分厚いテフロンのフライパンもあるから随分とラクチン、焦げ付くこともなく焼けます。キッシュのように分厚いオムレツが完成した時は歓声!(悲しいほどオジンギャグ...)だったよね。その辺のイタリアンの前菜に出てくるオムレツとは比較にならないくらい美味しかったでしょ。
魚介パエリアのお米には無洗米を使うのが最適。国産ムール貝がちょうど手に入ったので、それにあさり、イカ、有頭海老。今回は煮くずれる魚は入れずに、鶏もも肉で味にコクを出しました。ブイヨンなんて一切入っていないのにとても味の良いパエリアができましたね。
ここ数ヶ月、私の中ではレモンが流行りで、やたらとレモンのデザートを作っています。ちまたでは調味料として塩レモンなるものが流行っているそうですが、それはまだ試したことないので近いうちに。
イギリスのデザートは見栄えよりホームメイドを強調したようなものが多いようです。パン屋やケーキ屋に並ぶデザートは不格好で、私にも作れるやん!ていつも思ってしまう。目を奪われるような美しいものはあまりありません。今回のレモンのプディングは、イギリスの有名シェフ、ジェイミー?オリバーのレシピを少し改良しました。イギリスの学校給食を改善し、カジュアルな料理を提供し続けている彼の料理教室にも数回行きましたが、手取り足取りで誰にでも作れる簡単料理は料金も良心的でなかなか楽しいクラスでした。ジェイミーの妹が大好きだというこのデザート、英語名は lemon curdy pudding といいます。イギリス英語でプディングというとスプーンで食べるケーキを指し、日本のプリンとは違うものです。そしてcurdカードとは、凝乳、っいう意味。豆腐のことは英語で bean curd というように。
だからこのデザートは、底の方はカスタードクリームのようで、その上はスポンジケーキ、というのかスフレのような。とにかくガラスのパイレックス?ボウルで作ると外側からも層が見えていちいち説明しなくてもいい!というのが利点です。取り分ける前の写真がなくて残念。いつものように超簡単で美味しいデザートの出来上がり!
そしてお土産が一杯だった豊中教室。ハワイのクッキー、オーストラリアのティーバック型コーヒー、フランスのオリーブ?ペースト、タペナードetc... ごちそうさまでした!