チャオ・ダル・マーレ  CIAO dal MARE    (旧キッチン・マーレ)

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北の大地

2015-07-05 | グルメ色な日記

雪が残る十勝連峰。ヨーロッパの農村地帯を彷彿させるに美しい美瑛。

富良野にご主人が単身赴任してもう8年になる友人yuriさん。ようやく下の子も大学生になると、今までとは打って変わって蜜月のように頻繁に富良野に行っている。で、春に話していた時にラベンダーが咲く6月末にも行く、というのでなんかノリで他の友人たちとくっついて行くことにした。ブログにいちいち書くとどれだけ遊んでるかばれるから、嫌なんだけどな〜。。

私にとっては35年ぶりの北の大地。青函トンネルもまだ開通していない大学時代、当時の国鉄の周遊券で連絡船で海峡を渡りグルっと周る予定が、思わぬ出会いと魅力で礼文島の伝説ユースホステル桃岩荘にほぼ2週間留まってしまって以来だ。だから西沿岸部しか知らない私には初めての道央。

空港からレンタカーで富良野に直行。↑道中ずっと見かけるこの赤と黄色の矢印。何かと思ったら、雪深くなって道路が見えなくなった時に路肩はここ、これより内側を走るように!という目印だそう。やっぱりすご〜く雪が降るんだね。

 

倉本聰のTVドラマ「北の国」で一躍脚光を浴びた富良野。撮影チームが足繁く通ったレストランくまげらで初日は晩御飯。半住民のyuriさんはオーナーに神戸のお土産を持参するほどの仲。以前テレビでこの店が取り上げられていたから、行きたかった店。

鹿、鴨、鶏の入った山賊鍋。味噌味で美味しい。熊肉も入ったジビエかと思ったけど、そこまでではなかった。箸入れの「くまげら」の字は倉本聰によるもの。

色々な自家製ソーセージ。

行者ニンニク・ソーセージ↑

じゃがいもとチーズでできたソーセージ、白兎↑

名物のチーズ豆腐↑

普通のジャガバターだけど、やっぱり美味しかった↑。

旬も終わりに近づいたアスパラの天ぷら↑

店の横に大きなさくらんぼの木があった。鳥に食べられることもなく実がたわわになっていた。小粒だが、このあたりのさくらんぼは名産の一つのようだ。

マルシェで見かけたこちらの苺も↓食べていないから味は分からないけど、外国人が見たら驚くだろうこの精密なパッケージング。

翌朝は10℃という寒さ。駅前のホテルの部屋のブラインドを上げると、雲海に覆われた十勝岳が現れた。

旭川に近い、東川というクラフト村にある「北の住まい設計社」まで足を伸ばす。北海道産の木材を使った家具会社だが、広い敷地にはショールーム、雑貨店やベーカリー、カフェ・レストラン等があり、林の中でゆったりとした時間を過ごせる。

カブのスープ↑

マルゲリータ・ピザ、ニョッキ、パスタ。北海道の小麦粉やジャガイモなど野菜をふんだんに使った料理、そしてデザートもすべて美味しかった。

曇り空の中、ラベンダー畑へ。今年は冷夏っぽい。でも期待を裏切らず咲き始めてくれていた。

富良野ではファーム以外でもいたるところに花が植えられていたが、市からマニュアルが配布されてるのか?と思うぐらい花の種類、植え方がちょっと揃いすぎ。

カンパーナ六花亭の敷地内に、写真家綿引幸造の作品を展示したギャラリーがある。↑大窓がフレームになった富良野の風景にも感動する。

↓2泊目に選んだ上富良野のペンションの窓からも、雄大な眺めを堪能できた。

そして夕食はダッチオーブンで何時間も調理した富良野の野菜と丸ごとの鶏。野菜の甘みがたっぷりと出たスープは格別!

宿の主人に勧められて、翌朝はすぐ近くにある青池に行く。この人工湖の写真はApple社の壁紙にも使われているので世界的に有名なんだそうだ。

美瑛の新星の丘に、私設美術館・新星館がそびえ立つ。大阪出身のオーナー、大島 墉(おおしま・よう)氏は司馬遼太郎とご近所さんだった縁で、司馬氏の『街道をゆく』シリーズの挿絵を描いた画家須田剋太の作品を収集。やはり惚れ込んでしまった人間国宝の陶芸家(益子焼)島岡達三の作品ととも膨大なコレクションの一部がにここに収められている。

新潟の糸魚川から移築した築200年の古民家はすばらしく手入れがされており、3階の休憩室からの眺めには息を呑む。大島氏が開墾し、石も運んできてコツコツと造り上げている高山植物・岩庭園も素晴らしい。道楽以外の何ものでももないこの美術館、でも何故か人が来ない。おしゃべりがつきない大島氏の波瀾万丈の物語も凄いが、ここは私の美瑛のイチオシだから是非皆さん行ってあげてください。(4〜11月開館) 

下に睡蓮の池まで造ったというので、丘を下ってみた。

ちなみに大阪にも美術館と喫茶店があり、そちらは奥さんと息子さんがやっているそうだ。みんなの感想:こんなダンナさんやったらホンマに困るわ〜

美瑛をあとに札幌に向けて南下しはじめると、とうとう雨が降り始めた。最後の夜は札幌近郊の定山渓温泉に宿泊。口当たりのあっさりとした男山の日本酒(旭川)は富良野でも飲み、気に入ったのだが、嬉しいことに旅館では私の大好きな浮世絵師国芳のラベルの一升瓶が出てきた。

↑翌朝は札幌市中央卸売・場外市場を覗いた。

富良野の野菜や果物もたくさん並んでいた。でも安くはないです。。

ランチは札幌ビール園でジンギスカンを食べる!っていう予定は崩せなかった。そうじゃなきゃ市場内で海鮮丼を食べたかった〜。初日に空港で食べたものは上品すぎて。。蝋サンプルで我慢。

 

ベタなチョイスだが、全員行ったことなかったのでレンタカーを返却してからタクシーでビール園へ。思った以上に広い敷地には数種類のレストランがあるとは知らなかった。残念ながらメインのジンギスカンホール(右端)↓は外壁工事中で、絵にもならない白装束。

一人で食べに来る外国人観光客(女性はアジア人、男性は白人のパターン)がたくさんいるのは意外だった。

ラムの味比べをした。上等の肩ロースは、北海道で食べる羊は臭くない、という定説通りだった。

温泉やどらえもんミュージアムまである広〜い新千歳空港。最後はラーメンでしめようね、って話していたのに時間切れで止む無く断念。。空港でのオススメは、LeTaoのソフトクリーム(絶品!)、かま栄のてんぷら/かまぼこ、きのとやのチーズタルト(売り切れで食べれず)、じゃがポックル(これも奥まったお土産屋以外では売り切れ)、佐藤水産の鮭や鮭皮を使ったおつまみ色々。

雲海から頭を出す山々。北の国からの飛行機にぴったり、羽にさくらんぼが描かれていた。梅雨もなく湿気もない北海道。寒かったけど、快適な、そしていつものようにお腹一杯の美味しい旅だった。yuriさん、要望の多い私達のお世話ありがとうね〜!