みんなKK

家族のイニシャルが4人ともKKです。今もたぶんこれからもずっと・・

今でも忘れないあの手

2007-07-05 | Weblog
K4がまだ年長さんの頃。二人でK楽¥というお店に行った。冬の寒い一日だったので、温かいラーメンでも食べようとする人々で混んでいた。順番待ちの末カウンター席に座り、それぞれが注文をした。・・その日彼は調子が悪かったのだ。でも言葉足らずの歳故に、不快な感じはしつつもうまく言えないでいた、と推した。食べ始めて暫くすると、「気持ち悪い・・」と言うやいなや、吐いてしまった。K4は辛そうだ。(しまったな、可愛そうなことしてしまった)
かわいそうだと思う一方で、混んでいるが故に、K1は他の客に申し訳ない気がして仕方なかった。両隣の客は冷ややかに見ている。お手ふき2つで「さっ」と処理したが、慌てるばかりの父。何とか多くの客には知ってほしくない・・そのとき、後を通った高校生のバイトであろう店員に、「すいません、息子が吐いてしまって、おしぼりあと2つお願いできますか」と懇願。事務的に「わかりました」と言って去っていった彼女。(高校生はこんな汚いものに関わりたくないだろうな)と思った。しかし素早くおしぼりを4つ持ってきてくれた。(高校生=無関心と思った自分を恥じた)2つに嘔吐物をくるんだ先のお手ふきをつつみ、残りでK4の口や身の回りを拭かせてもらった。「ありがとう、これ汚れているのでぼくが持って行きますね」というと、「いえ、どうぞ」と言って、彼女が手を差し出した。「でも汚いですから」と再度遠慮すると、「大丈夫ですよ、どうぞ」と言って、その手は更に近くまで伸びてきた。私にはその手が、「神の手」に見えた。彼女の顔は覚えていない。でも、小さく、水仕事をしていると思われたほんのり赤みをおびたあの神の手は、今でも私の目に焼き付いて離れない。

後日・・私はk楽¥にお礼のメールを送った。

数ヶ月後、随分昔の教え子が結婚の挨拶に来た。
「今どこ勤めているんだ?」『K楽¥の本社です』「いつも利用させてもらっているよ、そういえば、(上の話)・・ということがあって、もう俺はすごく感激したんだ」『え!あれK1さんだったんですか、社内報に載っていてみんなで元気もらったんですよ』 
世の中まだまだ捨てたもんでないです!やさしさってちゃんと環になって、巡ってくるんですもの。
コメント (1)
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