2年目の発掘と石垣調査
◇東近江・安土町
平成二十年度から県教委が四年計画で石垣基礎調査と発掘調査を続けている。
今年度は、本谷から伝本丸に通じる西側ルートで想定されていた枡形虎口がなかったことが明らかになった昨年度調査に続いて、昨年十一月から東側ルートの虎口があったとされる伝本丸東虎口(防御機能をもつ入り口)〇・三ヘクタールで発掘調査を行っている。
東側ルートは、江戸時代以降に桑実寺から観音正寺への巡礼道で、伝本丸北東隅の開口部につながり、観音寺城時代にも道として利用されていたと考えられている。伝本丸の手前で巨大な削り出し土塁が張り出して、道が狭くなっているが、防御のための構築物などは発見できていない。
石垣調査は、観音寺城跡最大の特徴である安土城以前の石垣の現状を把握するため、四年かけて伝布施淡路丸周辺と南山裾部二十四ヘクタールを調査している。