訪城日:2013.11.23
城跡概念図
現状の城跡は、あるいは箕作山への登山ルートで移動し易い事も重なり、山上に展開される郭跡、遺構などは非常に見て回り易い状態にあるが、自然任せの藪化は進行中でもあり、登山道から一旦外れると周囲は密生する雑木藪となっているので山城見学においては当然宿命とも言えるが、細部における遺構の判別確認は中々難しい状況となっている。概念図における範囲が確認出来た遺構であり歩き回れた範囲でもあるが、雑木の密生する急峻な斜面以外はある程度見通しも利き、ほぼ見て回る事が出来る状態にあると思って頂ければよい。ただ夏季訪問においては当然見通しも利き難くいものとは思われるが、、、。個人的には山登りを楽しむ事も出来、途中岩戸山における磨崖仏などの史跡見学あるいは眺望、山城遺構も充分味わう事が出来たので、非常に有意義で満足感に浸れた価値のある山城巡りとなった。
城跡は滋賀県東近江市小脇町にあって、全国的にも有名な安土城跡からは南東側直線約6kmの位置にあり、箕作山を最高所としてみれば南西側の中間尾根上の最高所(標高373m)に位置している。当時においては六角氏の家臣、三井氏の居城が伝わっているが詳細は不明。
近江地方には石垣を用いた城跡が数多く現存しているが、この山城も高所にありながらも相当多くの石垣が使用されており、地表に露見している部分は多くはないが、山上郭群の随所に石垣跡あるいは石列を窺う事が出来る。当然見学する分には石垣跡が一番目を楽しませてくれる遺構になるとは思われるが、斜面に眼を凝らせば縦堀などの遺構も充分確認する事が可能であり、地表風化は激しいが僅かながら北郭群に土塁の高まりも見て取る事が出来る。
個人的には小規模で縄張り妙味(堀切を中央に挟んでほぼ尾根上に直線的に郭が配置)には少し欠けるが、これだけ当時の石垣跡が拝めるのであれば充分見学に値する山城とも見受けられるので、比高230mを上るきつい登山にはなるが、険峻さを誇る山城の好きな方、あるいは石垣跡に興味のある方には当然お薦めの城跡。
参考資料:Wikipediaほか」
本日も訪問、ありがとうございました。