※画面をクリックすると「楽天」のページに飛びます
開業していると机上での書類作業も多いが、
実際には人に会ったり打ち合わせをしたり、
説明したり話を聞いたりする機会が(想定以上に)多い。
学生時代から話す機会は多かった方だと思うのだが、
あまり意識的でなかったとも思うので
「人にどう見せるか」を意識する上で参考になるかも、と考えて買ってみた。
筆者は、「はじめに」で以下のような疑問を呈示する。
「(大切な人に会おうとする時)、
「顔」や「髪型」「服装」と同じように、
どうして自分の「声」や「体」「感情」「言葉」に気を使わないんだろう?」
そこから魅力的になるための「感情のヒント」「声のヒント」「体のヒント」「言葉のヒント」を提示していく。
共通して筆者は、
「魅力的である」とは「バラエティーに富んでいること」と指摘している。
またバラエティーに富むためには
それぞれについて「教養があること」が必要である、と言っているが、
そこでは「教養」を
「感情・声・体・言葉」それぞれについて「知って」おり、
「有効に、創造的に使える」ことである、と定義している。
本書ではその「知っているべき内容」や「使えるようになるためのヒント」を
それぞれについて提示していく。
【感情のヒント】
□感情は伝わる
□「感情の教養がある」人は、感情に関して、魅力的で豊かな表現ができる
「感情の教養がある」とは、感情を知っていて、それを有効に創造的に使えることである
□様々な感情があるが、人それぞれ感情の距離・「近い感情」「遠い感情」がある
また、状況によって感情の距離は変化する
重要なのはどういう状態の時にどのように感情の距離が変化するかを知ること
□普段からまんべんなく、感情を様々な方向に運動することが大事
【声のヒント】
□声の要素は「大きさ」「高さ」「速さ」「間」「音色」の五つである
□声を豊かにすることにより、結果として感情や表情が豊かになる
□声を出すときに重要なのは
「首、肩、胸などに余計な緊張がないこと」
「お腹で声を支えていること」
「声が前に出ていること」
の3つである
【体のヒント】
□体には「体の外側へ」と「体の内側へ」の二つの方向がある
前者は「外部からどう見えているか?」を常に意識することであり、
後者は自身の体の状態を意識することであり、
そのためには「リラックスした体」「体に余計な緊張がなく、いつでも動ける体」を
イメージすることが大切
□「体の内側へ」を意識するときに大切なのは「首」「背骨」「骨盤」の3つ
この3つが快適なコンビネーションにある時、リラックスした体に近づく
□体は「体自身の具体的な特徴」「すり込まれた生活習慣」「どんな動きを体に入れてきたか」の
3つにより作られている
様々な体の動き、クセはこの3つの層のいずれか、或いは絡み合いながら決定されている
【言葉のヒント】
□「第一の輪」「第二の輪」「第三の輪」の3つの状況としての「輪」を感じること、
その状況で一番有効な言葉を選択することが重要
ここでは状況に言葉を合わせるのが適切な場合もあるし、
わざとズラすのが適切な場合もある
□「第一の輪」は直径1m程度のイメージ、一つのことに集中して周りに関心がない状態
「第二の輪」は直径1.5mから2m程度、関心・集中が相手に向かっている状態
「第三の輪」は周りすべてに関心・集中する状態
□状況と言葉がズレるケースがある
また「第二の輪」が難しい時、人によって「第一の輪」にズレる傾向、「第三の輪」にズレる傾向がある
□「第二の輪」で「目の前のただ一人の人」とコミュニケイトするのが一番難しい
□「みんなに話す言葉」は「誰にも言っていない言葉」になりがち
特に網羅的に書かれている訳でもないので、これが全て、というものではないだろう。
ただ指摘されている「ヒント」は、形から実際に改めていく上で有効だろう、と感じた。
共通して、「自覚・意識していないところを自覚・意識するようになる」ことがまず重要である、
というのが筆者の考えなのだと思う。
それぞれについて体の動かし方、意識の仕方が具体的に記述されており、
自覚・意識していく方法や考え方のヒントが散りばめられた良書だと思った。