キミヲダキシメテ

このごろは

もっぱら

見送る側だ


旅立つヒト


巣立ちのトキ


昨日は

大学卒業を機に

この町を離れる

大好きな常連の

女の子が

立ち寄ってくれた


彼女はいつも

希望に満ちていて

出逢った頃から

変わらず

キラキラした瞳で

これからの

新生活の抱負を

語ってくれた


ワタシは

ドコにも行けない

訳じゃなく

意志を持って

ドコにも行かない

訳なんだけれども

少しだけ

羨ましく思った

彼女の未来を


ん？

でもなんとなく

いつもと違うなぁ

ふたりの女の子が

同居してるような

翳りを時折

ちらりちらり


しばらく様子を

見ていると

彼女の口から

大切なヒトと

地理的に

離れてしまう

不安が零れてきた


自分に

淋しさに

距離に

負けそうだ

と


胸が苦しくなった


大切なヒトが

たとえ傍に

居てくれても

懐かずには

いられない不安

まして

日々を共に

過ごせないなんて


でも

ホントは

わかっている

だんだん

実感する


縁や絆の

強さや不思議を


彼女も

ワタシも


出来ないコトを

嘆き哀しむより

大切なヒトが

しっかり

ココロに

居てくれてる

それに

感謝しよう

と


そうそう無い

かけがえのない出逢い


それは

確信した瞬間から

己の核心となり

自信へと

結実していく


揺れ動いてもいい


掻き乱されてもいい


軸があるから


大切なヒトを

大切に想える


そんな芯

情熱の炎を

絶やさぬように

しかりと

縒り固めよう


キミに抱きしめられて


キミを想うキモチを

抱きしめて


自分を生きよう


二人を生きよう