〜くちなしの花〜 渡哲也
いまでは指輪も まわるほど
やせてやつれた おまえのうわさ
くちなしの花の 花のかおりが
旅路のはてまで ついてくる
くちなしの白い花
おまえのような 花だった
わがままいっては 困らせた
子供みたいな あの日のおまえ
くちなしの雨の 雨の別れが
今でも心を しめつける
くちなしの白い花
おまえのような 花だった
小さな幸せ それさえも
捨ててしまった 自分の手から
くちなしの花を 花を見るたび
淋しい笑顔が また浮かぶ
くちなしの白い花
おまえのような 花だった
子どものころ
この唄の出だしに
衝撃をうけたのを
憶えている
真実のオトナの恋は
そんなにも
身もココロも
窶れてしまうモノ
なのかと
どうして
恋愛には
哀しみが
付纏わなければ
ならないのか
よく
解らなかった
あの頃の
自分を
いまなら
安心させて
あげられるほど
ワタシも
人並みに
恋をして
類い稀ない
悦びも
知ってきた
先日
梅雨空の下
堂々と
咲き誇る
くちなしの花
を
見つけた
甘美な香りに
あの唄の本質を
知った気がした
哀しくなければ
恋愛じゃない
ワケではなく
あらゆる感情までも
呑み込んでしまえるのが
恋愛だと
唄っていたんだね
青空みたいな恋愛を
誰もが望むけれど
澄み渡った空だけが
素晴らしいんじゃ
ないんだよね
と
そして
愛したモノは
たとえ
手から離れても
変わらず
愛したままで
いいんだと
くちなしの花に
慰められた
オトコゴコロを
歌い上げてらしたのね
・・・深いね
オトコゴコロ
先日の
豪雨のコトやら
ムスメの
インターンシップの
コトやらで
東京にいる
長兄と
久しぶりに
電話で話しをした
前回は
震災の時だったから
ホント
兄妹といえど
なかなか
キッカケが
無いと
連絡など
取らないモノ
だ
いつも
兄の声を
聴いてると
クックックと
笑いが込み上げてくる
昔から
浮遊感のある
オトコノコで
掴めないヒト
だから
父や兄
みたいなヒト
ってのは
遺伝子的にも
嗜好的にも
ある時期
避ける性質が
あるらしいけど
やはり
お互い
歳を取ると
なんだか
初恋のヒトみたいな
大切に使っていた
タオルケットみたいな
心地よさが
自身の中に
沁みついていて
折に触れ
想い起こしたり
触れてみたくなるモノだ
一度は
家族を持ったモノの
いまは
ひとりぶんのくらし。
を
している
4歳上の兄
ちゃんと仕事
頑張っているかな
お酒呑み過ぎて
いないかな
恋に現をぬかしたり
してるのかな
子どもたちに
時々は
逢ってるのかな
しっかり者の妹。
を
ずっと
演じてきたから
いまさら
甘えたり
アレコレ
詮索などは
致しませぬが
やはり
声を聴くと
色んな想いが
巡るんです
一緒に
テレビ見たり
オヤツ食べたり
遊びに混ぜてもらったり
可愛がってもらったもんね
不器用ながらも
無頓着ながらも
お兄ちゃんも
ワタシのコト
考える時も
あるのかな・・
今度
東京へ行く時は
兄に逢う。
幼少期に
共に育った街を
見に行く。
そんな
旅をしてみようか
自身のルーツを
巡る旅
それも
ステキかも
いつも
ココロの
奥底に
しまっている
大切なモノ
時々は
こうして
撫ぜてみるのも
いいよね