静かな雨が降る 休日の午後
久しぶりに 喫茶ジジに行ってきました
湯気と冬の蒸気と そこで生まれるあたたかなコトバ達に
店内は包まれ ゆうるりと流れる時間が
ふと立ち止まる 心地よさを教えてくれました
師走の慌ただしさや 賑わいに湧く街の景色とは
一変して まるでこの季節を
別の場所から 眺めてるような 不思議な感覚
週末に ネジ捲きが必要なワタシは とても救われました
例のごとく 研究室の主任のように
正確に 丁寧に コーヒーを煎れてくれる
ジジくんがくれた 一粒の貝殻豆
いつのまにか 美味しい部分が
抉り取られたような カタチになった
挽かれるコトのない 可哀想な豆一粒
でも薫り高い豆 命拾いした豆
大切な部分は 最初から無かったのか
はたまた途中で 何処かへ置き去りになったのかな
そんなコトを考えながら ネジを捲く
捲き終えた頃 すぅっとココロに
染み込んでいた 石垣りんさんの詩
「虹」
虹が出ると みんな教えたがるよ
とても大きくて とても美しくて
すぐに消えてしまうから
ためておけないから
虹をとりこにして
ひとつ金もうけしようなんて
だれも考えないから
知らない人にまで
大急ぎで教えたがるよ
虹だ!虹が出てるよ
にんげんて そういうものなんだ
虹が出ないかな まいにち
虹のようなものが 出ないかな
空に。
カタカタ カタカタ
また一週間が流れだす
虹のようなものに 包まれながら