それなりの ノタリ

地域活動がそれなりにやることがあって、かと言って、多忙というほどでもなく、ノタリの生活。

久しぶりの読書

2021年11月09日 | 再開(読書)

そう言えば、ここしばらく本を読んでなかった。

主に小学校の図書館から、一般開放図書を借りて来た本になった。地区センターでも図書館があるが、借りる人が多く、市の図書館ネットワークでも、特に新刊や人気の本なんかは申し込んでから忘れたころになって(1年もそれ以上も経ってから)連絡が来て、読めるようになる。

その点、小学校の図書館は、一般の人でも借りられるのだが、今の学校、出入りが厳重で簡単には入れないので、自然とふらりと来る人はほとんどいない。お陰様で新刊なんかはもちろん人気本でも、いつでも新品状態で借りられるのだ。とすれば、本屋さんまで出向かなくても無料で借りられるので、却って買うよりも便利なのだ。

10月の下旬から昨日まで、4冊の読書をした。

ちょっと古い本だが、現在もこの本のころも大した変化はなさそう。

読んでるだけで身の毛がよだつような北の状況だった。

三重県のとある山の中。林業で生業を営んでいる様を描いている。

古い風習も残っていて、お祭りや神様の描写が気味悪さを感じるほどだ。

「神去」はここの地名で、「かむさり」と読む。

百田尚樹は国粋主義者というか、右の人だが、小説ではそれらしさを

感じることはない。本離れ、特に小説離れの厳しいビジネス環境の中、ある出版社の

生き抜くための経営の実態を表現している。実に面白い。

桜木紫乃は釧路出身の直木賞作家。今は札幌の隣り町、江別市に本拠を置く。

家族関係が薄くなる時代のことを描いている。北海道在住の作家でもあり、

興味が湧いてくる。これで著者、何冊目かの読書となった。

 

歳とともに、長い時間、本を読んでいると、腰は痛くなるは、目はショボショボするわで、

疲労困憊する世代になった。無理してまで読書する必要もないので、ちょっと時間を

置いてから、また戻ろうと思う。

 


お気楽で ブログ再開するかな?

2016年04月30日 | 再開(読書)

最後の投稿は【2014年4月4日】でした。

あれから2年と1ヶ月が過ぎようとしてます。

この間、悲しいことや楽しいこともありました。徐々にアップしていきたいと思ってます。

でもこのブログ、過去に2年8ヶ月も休んだことがありました。

テキトーな自分に呆れてます。

 

昨日読み終えたので、今日のカテゴリーは「読書」にしました。

『羊と鋼の森』という本。写真の通り【本屋大賞】に輝いた小説です。

この本を選んだのも【本屋大賞】が理由で、自分のミーハーぶりを露呈してます。


クリックで拡大

不思議なことに、この小説には、第一章とか二章とかの区切りがないんです。

最初から最後までが1章だけなんです。こんなの初めてです。

舞台は北海道。多分帯広か旭川でないかと思うけど、それにしては不自然さも感じます。

主人公の調律師も『外村』という人で、トムラと読むようです。

トムラというのは、帯広市を中核とする十勝管内の新得町(しんとく)にある日本百名山、

大雪山系 トムラウシ山(2,141m)のことです。


50歳台前半の15年前くらいに大変な思いをして、日帰り登山をした思い出の山です
上り6時間、下り4時間半もかかったことを思い出します
私の誕生日の日で、一緒に上った仲間がデコレーションケーキとワインを冷やして登りました
山頂でお祝いしてもらいましたが、当然、ケーキはぐちゃぐちゃ、でもワインも冷えててうまかった

 

本では、ピアノの調律師の成長過程を見せてくれるのだけど、

知らない世界のことなので、逆に、興味深く読ませてもらいました。

そう言えばうちの長女は関東におりますが、ピアノは4歳からで、今でも習ってるそうで、

我が家に残されたピアノの調律はどうしたらいいものかと・・・

今、二人目の臨月で、そろそろ自分としては4人目の孫になります。

本の方はさすが、芥川賞や直木賞なんかと違った気軽さを感じさせてくれます。

 

ブログを止めてからいろんなことがありましたが、日記ソフトに切り替えて2年以上が

経過しました。そろそろ日記とブログを両立させようかなと思い立って、

再デビューすることにしました。自分にとってはそれなりの

負担になるとは思いますが、ボケ防止のための

ブログと捉えて、できるだけ長く続けたいと思います。

毎日のアップは難しいですが、余り気にせず気楽にやろうという気持ちです。

 

以前、ブログ上でお世話になった方々には、少し安定したかなと思えた頃に

再開のご連絡をしようと思っております。

 


湊 かなえ 『花の鎖』

2013年11月21日 | 再開(読書)

湊 かなえは『告白』、『贖罪』、『夜行観覧車』に次いで、読むのは4作目かと思う。
いずれもミステリーで、中高生が中心となる作品が多い。

読み終えると、若さをもらったような錯覚をして、なんとなく気分が良い。

文春文庫「秋の100冊フェア2013」 初版(初刷)2013.09.10
350ページ  税込み619円  (単行本:2011年3月)

 

両親を亡くし祖母と2人暮らしの梨花は、祖母の胃癌の手術費に困窮し、
生前の母に年に1度豪勢な花束を送り続け、
両親が亡くなった後に資金援助を申し出てくれた名も知らぬ「K」という人物に助けを求める。
Kとは一体何者なのか、祖母に尋ねても答えてくれず、
自分で調べようとした梨花は花屋を通じて手紙を送り、Kの関係者と面会できることになり、
Kと母の関係と花束の意味を知る。

伯父が役員を務める建設会社の同僚・和弥と結婚した美雪の目下の悩みは、
結婚して3年経つのに子供ができないことだった。
設計士を夢見ていた和哉が、美雪のいとこ・陽介が立ち上げた建築事務所に
転職することになるが、任せられたのはまたしても営業職だった。
それでもめげずに和弥は、地元出身の有名画家の美術館のコンペに応募し、
見事勝ち取るが、応募者の名前が陽介に書き換えられていた。
間もなく陽介らと建設予定地を視察に行った和哉は、
岩場から足を滑らせて亡くなってしまう。

大学時代、山岳部に所属していたイラストレーターの紗月は、
当時の仲間・希美子から夫・浩一を助けて欲しいと頼まれる。
浩一とはかつて互いに想い合っていたが、理由があって離別していた。
希美子の願いをきくべきかどうか葛藤する紗月は、
水彩画教室を開く公民館の職員・前田に誘われ、
過去の因縁を断ち切るために八ヶ岳に登る決意をする。

 

てな内容なのだが、湊さんの作品は最後でどんでん返しがあったりして、
中途で「飽きた」からと言って中断すると、折角の面白さを味わえない
ところがある。

この作品もそうだ。『告白』は小説も映画も見たが、迫力のある
終わり方だった。

次の本は北海道の歴史に因んだものの予定。
アイヌは文字を持たない民族なので、はっきりしない歴史を持つ。
オホーツク文化もアイヌ民族ではないが、不思議な痕跡を残している。
この辺を一度、きちんと整理しておく必要があると思っている。

 


東野 圭吾 『秘 密』

2013年09月30日 | 再開(読書)

久しぶりの推理小説だった。
しかも、かなり古い時代(1985年以降の舞台設定)、
文庫本としては2001年初版の物語だ。

ただTVドラマにもなったし、薄っすらと聞き覚えがあって、
親近感から買い求めたのだった。

(あらすじはwiki pediaからお借りしました)

杉田平介は自動車部品メーカーで働く39歳。
妻・直子と11歳の娘・藻奈美との3人で暮らしていた。

1985年冬、直子の実家に行くために、直子と藻奈美の2人が乗ったスキーバスが
崖から転落してしまう。直子と藻奈美は病院に運ばれたものの、
直子は死亡してしまい、藻奈美は一時は回復不能といわれたにもかかわらず、
奇跡的に助かる。しかしそれは、仮死状態になった娘・藻奈美の身体に、
死んでしまった妻・直子の魂が宿っていたのだった。
藻奈美の身体に宿った直子に、平介は戸惑いながらも周囲には
決してバレないように生活する。

やがて月日はたち、娘の身体に宿った妻との生活に、次第に心のずれが生じてくる。
そして直子は、医学部を目指して進学校とされる高校を受験し、見事合格する。
奇妙な二人の生活が限界を迎えたある日、
長らく消えていた藻奈美の意識が再びあらわれる……。


時代が古いので、携帯やスマホの時代に住む我々には、ちょっと
ピンとこない部分もあるが、殺人モノの推理小説と違って、
妻や娘の心情を細かく分析した手法は、さすが東野 圭吾だなと感じさせる。

もともと現実にはあり得ない設定なので、安心して読めた。

 


【半沢 直樹】 パート Ⅱ (池井戸 潤 原作)

2013年09月02日 | 再開(読書)

前回の記事で、半沢 直樹(【オレたちバブル入行組】)という本を紹介し、
テレビでは第Ⅱ部みたいなのがあって、前回から放映が始まっているが、
この本は第Ⅰ部で完結している。
と書いたが、よく調べてみると、このタイトル【オレたち花のバブル組】という
本が別に出されていることに気が付いた。

こっちのが、第Ⅱ部に該当する小説なんだ。
テレビは連続もの、タイトルも【半沢 直樹】オンリーだが、小説の方は
2冊あって上巻と下巻の区別もなく、タイトルも異なるのだ。
それだもん、混乱するのは当然至極であろう。

この小説についても、中身はテレビをご覧願うこととしたい。
まだ買ってきたばかりで、半分も読んでいないので何とも言えないが、
最初の部分は、金融庁検査(以前は大蔵省検査、別名クラケン)から始まる。

印象としては、「上巻」と同じく、非現実的で誇張も多く、
その意味では「まさかぁ!!」とか「そんなバカなぁ!!」と
思ってしまうが、面白さとしては衝撃的だ。

読後感でなく、「中途」読後感になってしまうが、勘違いを
早く改めたく、記事にした次第。

 


【半沢 直樹】 (池井戸 潤 原作)の本

2013年08月31日 | 再開(読書)

この本のタイトルは【オレたちバブル入行組】というもので、
【半沢 直樹】は主人公の名前である。 現在、TBSで毎週日曜日夜9時から
放送中の番組だ。 視聴率は驚異の30%を超えるという大ヒット作品。

『やられたら倍返し! いや10倍返し!!』なんていう台詞で受けている。
テレビでの主役は堺 雅人。メガバンク大阪西支店の融資課長の職にある。

 

話の筋はテレビを観ていただくことにして省略。
ただやはり、テレビと原作本とでは、結構違う筋立てもあって、楽しい。

テレビでは第Ⅱ部みたいなのがあって、前回から放映が始まっているが、
この本は第Ⅰ部で完結している。 しかもⅠ部の結末も違っている。

その点で、テレビの方が「拡張性」があってよろしい。

もちろん小説であって、ノンフィクションではない。だからボクなどには
30数年間同業に勤務した者として、あり得ないこと、非現実的なことなど
多々あり。  だからと言って、面白くないわけではない。
以前、『華麗なる一族』という銀行モノがあったが、それも面白いが
現実的ではなかった。

地域活動の方が、夏関連行事が終わって、今がエアポケット状態で、
一言でいえば「ヒマ」。こういう時に本を読まないとなかなか難しい。

 


読書~【ホテルローヤル】 (桜木 紫乃 著) 

2013年08月21日 | 再開(読書)

今年の直木賞受賞作で、すでに40万部以上の販売を達成している。
売れに売れているベストセラー 【ホテルローヤル】。

芥川賞だ、直木賞だと言っても、すべての作品が「爆発的人気」になるわけでない。
しかし、この作家の場合、既刊本までもが売り切れるほどの人気だ。

ミーハーのボクとしては、釧路出身の作家で、小説の舞台も釧路という
地理的親近感もあって、一気読みとなった。

釧路湿原を眼下に望む草原の上に建つラブホテルが全体の舞台となっている。
経営が破綻して廃墟となった時点から過去に遡り、ホテルの周囲の人々を描く
7編の短編で構成されている。  しかし、それぞれの短編の主役は
まったく無関係の人ではなく、何らかの事情でホテルローヤルとつながっている。

それぞれの主役は辛い過去や現在を背中に背負って生きている。
埃臭い部屋でヌード写真を撮られる女性。
たまたま使えなくなったお布施代で夫とラブホテルに行く妻。
それが切り詰めた生活のなかでの唯一思いついた散財だった。

舅が亡くなったとき、下着の一枚も……という後悔にも似た情を抱く。
不幸な出来事のたびに周囲が優しく変化していく不思議な女性。

著者の桜木が、このラブホの経営者の娘として育ち、
実体験した話がベースになっている。そういう意味では、自叙伝的な作品だ。

直木賞の賞の性格を考えてみるが、それにしても、やや生々し過ぎる感がある。
しかも全編の主役が貧乏ったらしいと言うか、底辺の人々のせいか、
もう少し、明るく読む者に力を与える「何か」が欲しいような気になった。 

 


【聞く力  心をひらく35のヒント】 を読む

2013年08月07日 | 再開(読書)

今日は蒸し暑い。強烈だ。我が家の不快指数計は80をゆうに超えている。
久しぶりにエアコンが必要となった。これから雨が降るようだし。
昨夜まで、寝苦しいなんてことはなかったが、今日は寝る前に寝室の
エアコンも動かして、部屋を冷ましておかねば寝れないだろうなぁ。

ところでこの本、言わずと知れた去年から今年にかけての、ベストセラー本。
エッセイスト&タレントである阿川 佐和子著。文春新書。253ページ。
この種のジャンルが新書になるのは珍しいことだと思う。

新書はある意味、科学書系の専門分野のものが多い。
それが砕けた感じの、阿川がインタビュアーとしての永年のキャリアを述べたものだ。

 

↓ 書評のなかで、ボクの印象に近い方の一部(青文字部分)を使わせていただいた。

阿川の1,000回近いインタビュー経験を通して、「聞く」とはどういうことなのか、
またそのための具体的な方法論について書かれている。
ただのインタビュー
裏話集ではなく、考えるべきポイントが随所に詰まっている。
色んな「聞き上手」のための方法については本でご覧願います。
35のエピソードがそれを教えてくれます。

ここでは「人が話すこと」の意味と、聞き手の役割について考えてみます。
あとがきの文章がなかなかよかったので引用させてもらいます。

人の話はそれぞれです。無口であろうと多弁であろうと、語り方が下手でも上手でも、ほんの些細な一言のなかに、聞く者の心に響く言葉が必ず潜んでいるものですす。
(中略)
そんな話をする当の本人にとっても、自ら語ることにより、自分自身の心をもう一度見直し、何かを発見するきっかけになったとしたら、それだけで語る意味が生まれてきます。

そのために、聞き手がもし必要とされる媒介だとするならば、ボクはそんな聞き手を目指したいと思います。

聞くという行為があるから話すと言う行為があるわけで。
話すことに意味があるなら、それと同時に聞くことにも意味が生まれるのだろう。

ちょっと抽象的になってしまったが、初対面の人とのインタビューなどは公平に右と
左の意見対立した人の間に立って話す、聞くというのは難しそうだ。

正直なところ、自分自身がこうした立場に立って働いた経験がないので、個人的に
やや隔靴掻痒の感あり。

 


【孤族の国】 を読む

2013年08月01日 | 再開(読書)

珍しい言葉だが、『孤族』というのは、もちろん造語です。
朝日新聞取材班が執筆したドキュメンタリー。2012年5月発刊。237ページ。
孤族という言葉は以下の説明で理解できる。(本書からのパクリ)

単身世帯の急増と同時に、日本は超高齢化と多死の時代を迎える。それに格差、
貧困が加わり、人々の「生」のあり方は、かつてないほど揺れ動いている。たとえ、
家族がいたとしても、孤立は忍び寄る。

個を求め、孤に向き合う。そんな私たちのことを「孤族」と呼びたい。
「家族」から「孤族」へ新しい生き方と社会の仕組みを求めてさまよう、この国。

「孤族」の時代が始まる。

いろんな年齢層、男と女の違い、3.11の被災で家に戻れないでいる人、などに
いろんな側面から取材している。目次から引用すると、 

・誰にもみとられず、ひとり死んでいく
・餓死した39歳。「助けて」と言えなかった。
・老いた親と二人きり。介護する息子たち
・引きこもりの長期化、追い詰められる家族
・身元保証から葬式までを家族代行業
・親孝行、代行します
・3.11から 集落の支えも断ち切られて
・縁故避難の限界
・「元気な人」と「落ち込む人」の差が広がっていく  etc.

この本は地区センター図書館からお借りして読みました。

悲惨な生活を余儀なくされて生きている人の多いことにまず驚愕させられた。
自分もそうなのだが、家内と二人だけで一日中一緒に家の中に閉じこもっていると
具合が悪くなる。 できるだけ、外出して複数の人と会って話をする。
孤族化が進むこの時代にあって、これ(交流とか交わり)はとても大事なことだと思う。

現役の頃は多忙だし、多くの人と毎日、コミュニケーションとってきたから、
引退後は静かな環境を望んでいた。しかし現実にはヒトはいろんなヒトとの
交流の中で生かされている。家族より孤族に支えられることの方が多いかもしれない。

孤族は社会の歪みの結果、必然的に生じるもののようにも思うが、
決して自分はそうならないように生きて行きたい。
孤族と孤族が絆を形成する場合もあるだろう。結構なことだと思う。

 


【海賊とよばれた男】を読む

2013年06月15日 | 再開(読書)

この本は、百田 尚樹という作家が、平成24年7月に発刊し、ボクが買ったのは
今年の5月で24版という売れ筋の本だ。

上下2冊の単行本になっている。 1冊500ページほどもあるので、
読み応えがある。昨年の【本屋大賞】に選ばれた。

名前は変えてあるが、実態は出光興産初代創業社長、出光 佐三 の伝記ものの感がある。
商売人とはどういうものか、どう生きていくものなのか、じっくりと教えてくれる。

ボクも銀行から出向して、小売業に従事したことがないわけでないが、
明治生まれの神戸商大卒の若者が、国内だけでなく、統治領の中国、
特に満州鉄道に商品を売り込む凄まじい行動力等には凄惨さまで感じる。

読んでいても、社長の意思の強さ、変身の早さ、決断の重みなどが
じわじわと伝わってくる作品だ。

去年、ボクの一番の本だった【終わらざる夏】に次ぐほどのレベルの高い本である。
人間、こんな風にして人生を過ごせるものなら本望だろう。
ボクなんか、安易に生きてきたのが、グサっと胸に突き刺さる感じだ。

グサっと胸に突き刺さって、多いに反省するべきところなのだが、反省は猿でもできる
とのこと。この歳になって、今までの人生を全否定されたような衝撃を
感じるのだ。

 



私たちにとって、すでに経済・軍事大国になった中国と、連綿と続いてきた
朝鮮王朝と現在の状況を教えてくれる歴史本としても価値ある作品だ。

それにしても、東京証券所がなんとしても上場を待ち望んでいるのは
この出光興産とサントリーだったという。隠蔽性と秘密主義、社長の独裁
などは、共通しているのだろう。閉鎖的で中身がよくわからない。
ただ、出光は2006年東証に上場、創業家は経営から一切、手を引いた。

 


『北海道ルール』という本

2013年05月30日 | 再開(読書)

結論から言うと、この本、さっぱりなものだった。

北海道は内地と違う側面が多い。
第一、言葉が違う。これは明治の頃の各地からの落ちぶれ者集団のお陰だ。
内陸部は【比較的】東京弁で、函館など沿海部は浜言葉だ。

当時、北海道は上へ上への気風に溢れていたが、その反面、
貧しくて隣近所の助け合いなしでは生きていけなかった。 

そんな中から今の北海道がある。
雪まつりもよさこいも各地のお祭りもみんなそうだ。
互助精神というか、結婚式は会費制でせいぜい1万5千円。
それ以外は、親族を除いたらかからないことになっている。
服装も親族以外は何でも良し。


ボクは昭和42年に北海道に移住してきたのだが、その
足跡は今でもいろんなところで見受けられる。

でもね、ボクは新潟高校を出たらなんとしてでも、
北海道大学に学びたかった。
理由はマルクス経済学の先生方が多かったからという
単純な動機。別に共産主義に傾倒してたわけでもないのだが。。


いまは事情は様変わりしているが、やはり札幌はいい街だ。
住みたい町、全国1位、函館が2位、小樽は5位とのこと。
全国上位10位の中に6都市が名前を貫いているとのことだ。
雪さえなければ、ホントだと思う。。。。。



北海道の特徴をまとめたこの種の本は多い。

 


瀬戸内 寂聴

2013年05月23日 | 再開(読書)

この人の本は初めてだった。
もちろんお会いしたこともないし、面談したこともない。

しかし、ずっと以前からどんな人なんだろう、その思想は?
本音は?と、知りたいとは思っていた。

この度、今年の4月30日付けで、光文社からこの本が
刊行された。 早速、購入してみた。

 

作家であり、宗教家でもある、この人はその年齢90歳。
人生経験、恋愛経験ともに申し分ないほどの豊かさを誇り、
したがって、何でもない一言一句に重みを感じるものだ。

四国でのナルト・サンガと呼ばれる場所での、謂わば講演の
複写である。 だから読みにくいということはなく、スラスラと読める
ので1日もあれば十分だ。

しかし、それなりの【教え】のようなものがあり、
気持ち的には、身体を揉み解すような痛快感があるのがいい。

 


ミーハーになって、本でも読んでみっかな?

2013年05月09日 | 再開(読書)

しばらく本から遠ざかっていた。
どうも、このところ、スッキリしないのは、そのせいかも知れない。

それにしても4月の15日に3年ぶりだと言う村上 春樹の新刊。
在庫がない。 3日前に近所の生協にある本屋に、頼んでおいたこの本が
届いたというので、受け取ってきた。

1週間で100万部を超える人気だそうで、TVや新聞などのメディアで大いに話題になっている。
皆が読んでると思うと、落ち着かないと言うか、世の中からすっぽかされるのではないか、と
変な恐れがあって、謂わばミーハー的に「買わされた」という感じもある。

村上 春樹の作品は『ノルウェーの森』『1Q84』以来、3冊目だったかな?
いずれも論調や舞台設定などがよく似ている。
非現実的なストーリーなのだが、不思議な魅力に自然と溶け込んでいく。


確かに淡いミステリーだ。 面白さが続いて、よく読める。
作者は64歳。 同い年なのに、こんなパワーがあるというのは
驚異的で、これからは比較して劣勢にある自分としては、彼が突出しているだけに、
できるだけ避けて通りたい作家になってしまった。

まっ、普通に日常を過ごしたいものだ。

 


【月影の道~~小説 新島 八重】を読む

2012年12月23日 | 再開(読書)

12月10日(日)の地元紙朝刊の「ほっかいどうの本」という欄に、この本(文春文庫)が
紹介されていた。  早速、Amazonに注文して取り寄せた。

しかし、著者の蜂谷 涼(女性)が小樽出身・在住というだけで、
主人公は、来年のNHK大河ドラマの【八重の桜】の新島 八重である。

新島 八重は、会津の武家に生まれ、戊辰戦争では銃を片手に男装で
篭城戦に加わり、明治維新後は、キリスト教流の教育を旨とする
同志社の創立者・新島 襄の夫人となり(2回目の結婚)、
日清・日露戦争では篤志看護婦として従軍した。

幕末のジャンヌダルク、ハンサムウーマン、日本のナイチンゲールと、
様々な呼び名を持つ女性だ。

これまで大きく注目を浴びることがなかった八重だが、著者・蜂谷 涼は10年前から
このテーマを温めていた、と聞く。 戦に敗れ、親兄弟や親友を失い、不条理に
逆賊だの朝敵だのと虐げられ、流浪の憂き目にあった体験は、
激しい怒りとなって八重の心に重くのしかかり続ける。

癒えることのない怒りと哀しみを抱えながら、人は人としてどう生きていくのか、
といったことを思い知らされた卓越した文庫本だった。

来年の大河ドラマが楽しみだ。


文春文庫 630円

 


【狂】を読む~~坂東 真砂子 著

2012年12月11日 | 再開(読書)

この1週間くらい、何故か力が湧かず、元気なく暮らしていた。どうしたことだろう。

したがって、読書の方も一服といった感じでサッパリだ。
それでも今日はこの本、「狂」を読み終えた。

玄冬舎という出版社はボクの「お気に入り」で、期待が外れたことが無い。

時は幕末、四国は土佐の高知にある、急斜面に開墾した棚田の
村、戸数100、人口7~8百人の、山間の
到底、豊作などは期待できないような地域。

ここに狗神が村人、しかも主に働き手の男に取り憑く恐ろしい話である。
ミステリーやホラーとは違った、日本人独特の宗教観~~神仏混淆、仏教寺、
陰陽師、占い師などが登場するが効果なく、多くの村人が魑魅魍魎に化する。

村人がいかにも狗神に憑かれたようで、人間技と思えない動きと騒ぎ
を起こす。管轄の奉行所からいろんな人が派遣されて、祈祷などを繰り返すが、
効果なし。狂乱者が増える一方で、退治・退散される術が見つからない。

 

坂東真砂子の本は【死国】=四国 を読んで以来だが、作家の出身地が土佐の高知
なので、四国はちょっと観光でも行きたいと思えない。